(1)
浮力の公式から、
\(F=\rho_0Vg\)
で終了ですが、\(V\)が与えられていないので、底面積×高さ、という式に書き換える必要があります。
\(V=Sl\) より
\(F=\rho Slg\)
(2)
沈めた物体から手を離すと、上向きに運動し始めた、ということなので、鉛直上向きを正として運動方程式を立てましょう。
物体の質量を\(m\)とすると、
\(ma=\rho_0Slg-mg\)
ここで、\(m=\rho V=\rho Sl\) なので、
\(\rho Sl a=\rho_0Slg-\rho Slg\)
\(\rho a=\rho_0g-\rho g\)
\(a=\displaystyle\frac{\rho_0-\rho}{\rho}g\)
となります。この問題では当たり前に用いられている、「質量=密度×体積」(\(m=\rho V\))という公式の存在をお忘れなく。
この加速度で物体は水面に向かって加速上昇していきますが、浮力の大きさが\(F=\rho Slg\)であることを見てもわかるように、浮力の大きさは深さによりませんので、深い所から浅い所に上昇したとしても浮力の大きさは一定値のままです。
なので、加速度も一定値のままとなり、等加速度運動をしていることが分かります。
なので、等加速度運動の公式をもってきて、
\(h=\displaystyle\frac{1}{2}at^2\) より
\(t=\displaystyle\sqrt{\frac{2h}{a}}\)
\(=\displaystyle\sqrt{\frac{2\rho h}{(\rho_0-\rho)g}}\)
となります。
(3)
同様に等加速度運動の公式を用いて、
\(v=at\) より
\(v=\displaystyle\frac{\rho_0-\rho}{\rho}g・\sqrt{\frac{2\rho h}{(\rho_0-\rho)g}}\)
\(v=\displaystyle\sqrt{\frac{2gh(\rho_0-\rho)}{\rho}}\)
となります。
が、私なら\(v^2-v_0^2=2ax\)の方の公式から、
\(v^2=2ah\) より
\(v^2=\displaystyle\frac{2gh(\rho_0-\rho)}{\rho}\)
としてしまうと思います。その方が式変形が早いからです。