· 

memo 仕事関数

仕事関数:金属などの表面から、1個の電子を無限遠まで取り出すのに必要な最小エネルギー

 

▼面によって異なる仕事関数

表面の分野では仕事関数の値が全く同じ金属でも結晶方位によって異なる値となることがよく知られている。 バンド理論に基づくと、仕事関数はフェルミ準位(最外殻)と真空準位(無限遠)とのエネルギー差とされていて、物質によらず一義的に決まるが、実際は、結晶方位によって電子が原子核に引き寄せられる力が変化するので、同じ金属でも面によって仕事関数が異なる。

 

▼表面ダイポール

箱型ポテンシャルの波動関数を計算すると、箱の境界で波動関数がただちに0になることはなく、真空領域に波動関数の"しみ出し"が起こる。つまり、フェルミ面から少しだけ真空側にも電子の"存在確率"があることになるので、原子表面が-で覆われ、表面からわずかに内側はプラスで覆われることになる。これが表面ダイポール。

フェルミ面の電子が、わずかに高い軌道に遷移しているわけではない。

 

https://staff.aist.go.jp/shiro-hara/schottky/workfunction.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsssj/29/2/29_2_64/_pdf