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リ物基 基問83

(1)

まず予備知識として、密度の公式を確認しておきます。中学理科で習っているはずです。密度は質量\(÷\)体積で表せます。

これをすべて文字で置き換えるのが高校物理です。密度を\(ρ\)、質量を\(m\)、体積を\(V\)とすると、\(m=ρV\)と書けます。単位系も中学理科とは違いますので、そこはよく見ておいてください。

 

▼密度公式

\(密度([kg/m^3]=\displaystyle \frac{質量[kg]}{体積[m^3]}\)

\(ρ=\displaystyle \frac{m}{V}\)

 

 

物体が\(\frac{2}{3}\)だけ沈んで静止しているので、浮力と重力がつりあっています。 浮力は、アルキメデスの原理より押しのけた水の重さと等しいので、水の密度\(ρ_0\)を用いて、

浮力\(f=ρ_0×\frac{2}{3}V×g\)

と書けます。浮力は沈んでいる部分にだけ働くので、体積は\(\frac{2}{3}V\)となっています。

 

一方で物体の重力には物体の密度\(ρ\)を用いて、

重力\(W=mg\)

\(W=ρVg\)

 

と書けます。これらがつり合うので、

\(ρ_0×\frac{2}{3}V×g=ρVg\)

\(\frac{2}{3}ρ_0Vg=ρVg\)

\(ρ=\frac{2}{3}ρ_0[kg/m^3]\)

 

となります。

 

 

(2)

物体全体を水に沈めると、浮力は\(ρ_0Vg\)となります。これ(1)よりも大きな浮力なので、人が下向きに力\(f\)を加えないと静止を保つことができません。なので、

\(ρ_0Vg=f+ρVg\)

\(f=ρ_0Vg-ρVg\)

 

となります。(1)で\(ρ=\frac{2}{3}ρ_0\)と求まっているので、代入して、

\(f=ρ_0Vg-\frac{2}{3}ρ_0Vg\)

\(f=\frac{1}{3}ρ_0Vg[N]\)