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原子7.1 コンプトン効果導出補足

運動量保存則を習ったときに使っている運動量ベクトルの考え方を借りてきます。

 

衝突前の運動量を表す矢印と、衝突後の運動量を表す矢印を同じ点からのスタートにします。

すると、その差がX線が電子から受けた力積に相当するので、向きに注意して電子の運動量も書き込むことができます。

 

ここでは値だけ考えるために作図するので、矢印の向きはあまり重要ではありません。よくわからない人は、とりあえず三角形型に直せるところまで何とか理解しましょう。

 

三角形型を書いてしまえばこっちのもの。

衝突前後のX線の角はθなので、余弦定理を適用して、

 

\(m^2v^2=\displaystyle(\frac{h}{λ'})^2+(\frac{h}{λ})^2-2・\frac{h}{λ'}・\frac{h}{λ}・cosθ\)

 

\(m^2v^2=\displaystyle(\frac{h^2}{λ'^2})+(\frac{h^2}{λ^2})-\frac{2h^2}{λλ'}cosθ\)

 

これだけです。

成分に分解しない方法を活用できる人は、こっちの方が圧倒的に楽ですし時間短縮にもなります。