説明のために、問題文に書いてある点A、B、Cに加えて点O、P、Qも設定しておきます。
ふりこの基点を点O、点Aから横に垂線を補助線として引いたときの交点(垂線の足という言い方をします)を点P、同様に点Cから横に引いた垂線の足を点Qとします。
おもりの質量を\(m\)、点Bの高さを位置エネルギーの基準面とします。おもりの質量と、高さの基準面が決められていないので、最初に定義をしてから解答をスタートするといいでしょう。
物体Aの高さはPB、物体Bの高さはQBです。このそれぞれを求めておきましょう。
△OAPに注目すると、1:2:\(\sqrt{3}\)の関係から、OPは\(\frac{l}{2}\)と分かります。OBは糸の長さ\(l\)そのものなので、PBは\(l\)からOPの長さを引いてやるといいですね。
PB=OB-OP
PB=\(l-\displaystyle\frac{l}{2}\)
PB=\(\displaystyle\frac{l}{2}\)
△OCQに注目すると、5:12:13の関係から、OQ=\(\frac{12}{13}l\)とすることができます。三角関数を利用して、OQ=OCcosθとしてからcosθ=\(\frac{12}{13}\)であることを代入して求めてもいいですが、比からすぐに求められるときは、出来る限り簡単な式や考え方で解けるように練習しておく方がいいですね、
QB=OB-OQ
QB=\(l-\displaystyle\frac{12}{13}l\)
QB=\(\displaystyle\frac{l}{13}\)
これらを活用して、点A、B、Cにおけるエネルギー状況をまとめてみましょう。
▼エネルギー公式
位置エネルギー
\(U=mgh\)
運動エネルギー
\(K=\frac{1}{2}mv^2\)
A | B | C | |
位置エネルギー | \(mg・\frac{l}{2}\) | 0 | \(mg・\frac{l}{13}\) |
運動エネルギー | 0 | \(\frac{1}{2}mv_B^2\) | \(\frac{1}{2}mv_C^2\) |
力学的エネルギー | E | E | E |
ここまで準備ができれば、あとはどこが聞かれても関係式を組み立てることができますね。
(\(v_B\))
\(mg・\displaystyle\frac{l}{2}=\frac{1}{2}mv_B^2\)
両辺 \(×\frac{2}{m}\) すると、
\(gl=v_B^2\)
∴
\(v_B=\sqrt{gl}\)
(\(v_C\))
\(mg・\displaystyle\frac{l}{2}=mg・\frac{l}{13}+\frac{1}{2}mv_C^2\)
\(mg・\displaystyle\frac{l}{2}-mg・\frac{l}{13}=\frac{1}{2}mv_C^2\)
\(g・\displaystyle\frac{l}{2}-g・\frac{l}{13}=\frac{1}{2}v_C^2\)
\(gl-g・\displaystyle\frac{2l}{13}=v_C^2\)
\(v_C^2=\displaystyle\frac{11}{13}gl\)
\(v_C=\sqrt{\displaystyle\frac{11}{13}gl}\)