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2009京大Ⅲ

(1)(あ)

 \(P\)から\(BS\)に垂線\(PR\)を下すと、\(∠SPR=θ_1\)より

 \(PS(t)sinθ_1=RS\)

 \(PS(t)sinθ_1=v_1(t_s-t)\)

 \(PS(t)=\displaystyle\frac{v_1(t_s-t)}{sinθ_1}\)

 

(い)

 \(PQ(t)=v_2(t_s-t)\)

 

(う)

 \(△PSQ\)において、\(∠PSQ=θ_2\)より

 \(PS(t)sinθ_2=v_2(t_s-t)\)

 

 \(PS(t)=\displaystyle\frac{v_2(t_s-t)}{sinθ_2}\)

 

よって(あ)の式とつないで、

 

 \(\displaystyle\frac{v_1(t_s-t)}{sinθ_1}=\frac{v_2(t_s-t)}{sinθ_2}\)

 

 \(sinθ_2=\displaystyle\frac{v_2}{v_1}sinθ_1\)

 

 

(2)問1

波面が点\(P\)から点\(Q\)に進む間に、船は点\(P\)から点\(S\)まで進むので、

 \(PQ=c(t_s-t)\),\(PS=V(t_s-t)\)

 \(PSsinθ=PQ\)

 \(Vsinθ=c\)

 

 \(sinθ=\displaystyle\frac{c}{V}\)

 

くさび型波面ができるためには

 \(sinθ=\displaystyle\frac{c}{V}<1\) より

 \(c<V\)

 

(3)(え)

 位相が一定である位置が進む速度とは、ふだん「波の速度」と呼んでいるもののことです。波の速度は位相速度とも呼ばれます。

[解法1]

 波の公式を用いて

 \(c=fλ\)

 \(c=\)\(\displaystyle\frac{2π}{2π}\)\(・fλ\)

 \(c=2πf・\displaystyle\frac{λ}{2π}\)

 \(c=\displaystyle\frac{ω}{k}\)

 

[解法2]

 位相が一定であるから、時刻が\(t\)から\(Δt\)だけ変化したとき、\(θ_0\)の位置が\(x\)から\(Δx\)だけ変化したとすると、

 \(θ_0=kx-ωt=k(x+Δx)-ω(t+Δt)\)

 \(kx-ωt=kx+kΔx-ωt-ωΔt\)

 \(kΔx=ωΔt\)

 

 \(\displaystyle\frac{Δx}{Δt}=\frac{ω}{k}\)

 

 これは、波が\(Δt\)間に\(Δx\)だけ進む速さであり、「波の速度」「位相速度」のことなので、

 

 \(c=\displaystyle\frac{ω}{k}\)

 

 

問2

 波形は、\(T[s]\)経過すると、\(λ[m]\)だけ進むので、

 時間\(\frac{1}{4f}\)経過、つまり\(\frac{T}{4}\)経過する間には、\(\frac{λ}{4}\)進む。グラフには解答欄の範囲内で、\(\frac{λ}{4}\)だけ進んだ波形を描けばよい。

(\((0,-a)\)から始まり、\((\frac{λ}{4},0)\)、\((\frac{λ}{2},a)\)を通るような正弦波)

 

(お)

 与えられた値から、そのまま計算を進める問題

 \(h=\)\(h_1\)\(+h_2\)

 \(h=\)\(asin(k_1x-ω_1t)\)\(+asin(k_2-ω_2t)\)

  \(k_1=k+Δk\)、\(k_2=k-Δk\)

  \(ω_1=ω+Δω\)、\(ω_2=ω-Δω\)

 \(h=\)\(asin[(k+Δk)x-(ω+Δω)t]\)\(+asin[(k-Δk)x-(ω-Δω)t]\)

 \(h=\)\(asin(kx+Δk・x-ωt-Δω・t)\)\(+asin(kx-Δk・x-ωt+Δω・t)\)

 \(h=\)\(asin[(kx-ωt)+(Δk・x-Δω・t)]\)\(+asin[(kx-ωt)-(Δk・x-Δω・t)]\)

 \(h=2acos(Δk・x-Δω・t)sin(kx-ωt)\)

 

(か)

 これも問題文の誘導に乗っかりながら式変形を進める問題

 「波1と波2の位相速度が等しい場合」とあるので、位相速度\(c=\displaystyle\frac{ω}{k}\)について与えられた値を代入しながら式変形する。

 \(c=\displaystyle\frac{ω_1}{k_1}=\frac{ω_2}{k_2}\)

 

 \(\displaystyle\frac{ω+Δω}{k+Δk}=\frac{ω-Δω}{k-Δk}\)

 

 \((ω+Δω)(k-Δk)=(ω-Δω)(k+Δk)\)

 \((ωk-ωΔk+Δω・k-Δω・Δk)=(ωk+ωΔk-Δω・k-Δω・Δk)\)

 \((-ωΔk+Δω・k)=(ωΔk-Δω・k)\)

 \(2Δω・k=2ωΔk\)

 

 \(\displaystyle\frac{Δω}{Δk}=\frac{ω}{k}\)

 

よって、群速度と位相速度は等しくなる。②\(c=v_G\)

 

(き)

\(ω_1=2πf_1\)、\(ω_2=2πf_2\) より

 

\(f_1-f_2=\displaystyle\frac{ω_1}{2π}-\frac{ω_2}{2π}=\frac{\omega_1-\omega_2}{2\pi}\)

 

 

問3
位相速度cについて、

\(c=\displaystyle\frac{ω}{k}=\frac{\sqrt{gk}}{k}=\sqrt{\frac{g}{k}}\)

 

また、\(ω(k)=α\sqrt{k}\)において\(α=\sqrt{g}\)として、

 

\(ω(k+Δk)=ω(k)+\displaystyle\frac{\sqrt{g}Δk}{2\sqrt{k}}\)

 

\(Δω=ω(k+Δk)-ω(k)=\displaystyle\frac{\sqrt{g}Δk}{2\sqrt{k}}\)

 

であるから、群速度\(v_G\)について

\(v_G=\displaystyle\frac{Δω}{Δk}=\frac{1}{2}\sqrt\frac{g}{k}=\frac{1}{2}c\)

\(v_G=\displaystyle\frac{1}{2}c\)

\(\displaystyle\frac{v_G}{c}=\frac{1}{2}\)