波の反射
波が反射するときのは2パターンの反射スタイルがあります。
一つは自由端反射というものです。ロープが柱にくくり付けられているとします。このとき、ただロープを柱に結びつけるのではなくて、リングか何かにロープを結びつけることで、柱を上下に移動できるようにくくり付けることにします。
このとき、端部でロープが自由に動けるので、このような端部のことを自由端といいます。この自由端で波が反射される現象のことを自由端反射といいます。
自由端反射では、入射波が線対称にはね返ってきます。図のように、もし山が自由端に向かってぶつかっていくと、反射波も山になって返ってきます。
▼自由端反射
反射波は 線対称 に反射される
もう一つは固定端反射というものです。こちらは、ロープを柱にくくり付けるとき、一切動くことがないようにしっかりと結びつけることにします。
このとき、端部ではロープは完全に固定されています。このような端部のことを固定端といいます。この固定端で波が反射される現象のことを固定端反射といいます。
固定端反射では、入射波が点対称にはね返ってきます。図のように、もし山が自由端に向かってぶつかっていくと、反射波は谷になって返ってきます。
▼固定端反射
反射波は 点対称 に反射される
反射波の作図
波が壁に衝突していくときの様子を作図してみましょう。
図のような波があったとして、この波が1秒間に1マスずつ右に進んでいくとします。
この波が3秒後にどのような波形になっているのか、自由端反射の場合と固定端反射の場合のそれぞれの場合で考えることにします。
壁面より右側のグレーのゾーンは壁の中です。作図のときに使うので、ここでは方眼紙をつけていますが、実際には存在しない仮想空間だと思ってください。
Step1:壁をしみ出して、そのまま波が進行したときの波形を描く
反射波の作図をするときは、反射スタイルが自由端反射だろうが固定端反射だろうが、まずはそのまま波が壁を突き抜けていった図を描きます。
今回は、1秒で1マスずつ右に進んで行って、3秒経過した、という設定ですので、3マスだけ右にずらして作図します。
みなさんは、図のうち青線で示した部分だけ描けばいいんですよ。
Step2:壁の内側の波形だけ、端部の条件に応じて折り返す
自由端なら、壁の内側の部分を線対称に折り返します。
固定端なら、壁の内側の部分を点対称に折り返します。
点対称の作図では、y軸に折り返したあと、さらにx軸でも折り返すと、作図ができますので、上のように自由端の作図をいったん行っておいて、さらに上下にも対称に折り返してやるといいかもしれませんね。
点対称の作図は、①x軸対称のあとy軸対称、②y軸対称のあとx軸対称、③180°回転、の3パターンの作図法が考えられます。どの方法で行ってもかまいません。
Step3:壁の外側で、波の重ね合わせを行う
入射波と反射波の高さをそれぞれ記録し、足し合わせます。その値をもとに合成波を描きましょう。
自由端の場合、端部は自由に動けるので、壁面の座標はどんな値も取りえます。
固定端の場合、端部は固定されているので、どう作図しても最終的には少なくとも原点は通過している状態でなければいけません。
ここで緑色で示している部分が観測者が実際に見ることができる波形ですが、固定端反射では、端部は固定されてるはずですからね。検算がない分、端部が原点にあるのか、原点でなくてもいいのか、などは必ず確認しておきましょう。