まず本文中の用語を確認しておきましょう。
基本音、もしくは基音というのは、弦や音源が基本振動したときに聞こえる音のことを言います。
また、2倍振動、3倍振動のように、上の倍数を持った音が鳴るときは、倍音、倍数音と呼びます。
一般に、弦や管などの音源(発音体)は、基本振動の音と同時に2倍振動や3倍振動のような上の倍数の音が同時に鳴っていることがあります。これらの音を基音(基本音)に対して上音と呼ぶこともあります。
ということで、基本音とは、基本振動のときの音のことを言います。
(1)
1秒あたりのうなりの回数は、音源どうしの振動数(Hz)の差に等しいことを知っておきましょう。
200Hzのおんさと弦を同時に鳴らすと、1秒間に8回のうなりが聞こえた、とありますので、弦は192Hzもしくは208Hzです。
弦の長さを1.00mから少しずつ長くしていくと音が消えた、ということから、弦から出る音は低くなりながら200Hzになった、ということが分かります。
ということは、弦が1.00mのときに鳴っていた音\(f_1\)は208Hzだと考えられます。
(2)
\(1.00m\)の弦で基本振動をしているので、\(λ=2.00m\)です。
\(v=fλ\) より
\(v=f_1λ\)
\(v=208×2.00\)
\(v=416m/s\)
有効数字は3桁なので、このままの表記で大丈夫です。
(3)
うなりが生じなかったときは、弦は200Hzが鳴っています。また、弦の長さは1.00mではなくなっているので、前の問題の値をそのまま使わないように気をつけてください。
一つ知識として知っておかなければいけないのは、弦の長さを変えても、弦を伝わる波の速さは変わらないということです。
なので、前の問題で導出された\(v=416m/s\)はそのまま使えます。
\(v=fλ\) より
\(416=200×λ\)
\(λ=2.08m\)
いま、弦では基本振動が鳴っているので、弦の長さと波長との間には
\(λ=2l\)
の関係があります。なので、弦の長さは
\(2l=2.08\)
\(l=1.04m\)
(4)
1秒間に4回のうなりを鳴らすためには、弦が出す音が196Hzもしくは204Hzとなればいいので、
\(v=fλ\) より
\(416=196λ\) もしくは \(416=204λ\)
\(λ=\displaystyle\frac{416}{196}\) もしくは \(λ=\displaystyle\frac{416}{204}\)
\(λ=2.122…\) もしくは \(λ=2.039…\)
それぞれ\(λ=2l\)を代入すると
\(2l=2.122\) or \(2l=2.039\)
\(l=1.06m\) or \(l=1.02m\)
模範解答の解法より、こっちの方が直接的に求めているので、わかりやすいと思います。