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リ物基 応問195

まず、マイナスの塩化ビニル管Cを左側から、つまり金属球A側から近づけると、金属球Aにはプラスの電気が引きつけられ、金属球B側には反発したマイナスの電気が移動します。

 

この時点で、塩化ビニル管Cを離さないまま、金属球どうしを離すと、金属球Aは正に帯電、金属球Bは負に帯電した状態になります。この操作の後で塩化ビニル管Cを離したところで、もはや球と球の間を移動する電荷はありませんので、

金属球Aは正に帯電 ①

金属球Bは負に帯電 ②

したままです。

この現象を「静電誘導」といいます。

 

この球を不導体球に変えるとどうなるでしょう。不導体は電流を流しません。言い換えると、自由電子が存在しませんので、全ての電子はK殻、L殻なりから移動しないということです。このように、自由に移動することが出来ない電子を「束縛電子」といいます。

 

先ほどの操作と同じように、マイナスの塩化ビニル管を不導体球に近づけると、原子1つの内部でマイナスの電子がマイナスの塩化ビニル管と逆側に集まりますが、原子から外れてまで移動することはできません。

このような現象を「誘電分極」といいます。

 

なので、その後、どのような手順で操作しても、塩化ビニル管を遠ざけたあとは初期状態に戻ります。

よって、

不導体球A'は帯電していない ③

不導体球B'も帯電していない ③