速さを求めるときは、\(x-t\)グラフでは傾きから求めることができます。
平均の速さを求めるときは、運動を表す線の2点を選んで、その傾きを求めます。
瞬間の速さを求めるときは、問題グラフにすでに描いてある直線(接線)の傾きを求めます。
(1)
平均の速さを求めるときは、「○から○まで」という区間が指定されます。区間を指定しないと平均を出すという話ができませんので、「点\(A\)から点\(B\)で」とか「\(1.0s\)から\(3.0s\)」でとか、空間的や時間的に区間が決められて出題されます。
この問題の場合は「\(8.0s\)間の」と書いてありますが、これは「\(0s\)から\(8.0s\)」という意味ですので、\(x-t\)グラフの\(0s\)の点と\(8.0s\)の点にまずチェックをしておきましょう。
この2点を直線で結び、その傾きを求めてやると、\(8.0s\)間の平均の速さを求めることができます。
\(傾き=\displaystyle\frac{縦軸の変化量}{横軸の変化量}\)
ですので、
\(\bar{v}=\displaystyle\frac{36}{8.0}\)
\(\bar{v}=4.5m/s\)
となります。
いま、数学的に解きましたが、物理では数式に意味があります。
物理学的に考えるのであれば、この式は、\(8.0s\)間に\(36m\)進んだので、
\(平均の速さ=\displaystyle\frac{距離}{時間}\)
\(\bar{v}=\displaystyle\frac{36}{8.0}\)
\(\bar{v}=4.5m/s\)
という計算をしているわけです。
数式的な理解と物理的な考え方の両方に意識を向けましょう。
(2)
瞬間の速さの場合は、問題文に与えらえている線の傾きを求めましょう。
瞬間の速さは「\(x-t\)グラフ上の、ある点における接線の傾き」から求めるのが方法であるといろんなところで説明されていますが、接線を求める問題はありませんので、自動的に問題文に最初から与えられることになります。
なので、小手先のテクニックとしては「問題グラフに最初に描かれている直線の傾きを求める」のが手早いです。正しく理解するのは点数が伸びてからでもいいです。
よって
\(v=\displaystyle\frac{縦軸の変化量}{横軸の変化量}\)
\(v=\displaystyle\frac{24}{6.0}\)
\(v=4.0m/s\)
2ケタどうしの計算ですので、解答は1ケタ表記の\(4m/s\)ではなく2ケタ表記の\(4.0m/s\)にしましょう。