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リ物基 基問3

\(x-t\)グラフでは、

 平均の速さは2点間の傾きを自分で引いて求める

 瞬間の速さはグラフに描いてある接線の傾きを求める

ことで求まります。

 

よく、何でもグラフ内の直線で計算しようとする人がいますが、平均の速さを出すときには自分で2点を決めないといけないことに注意して下さい。グラフの接線は、瞬間の速さを出すときにしか使いません。

 

 

(1)

平均の速さは平均したい区間のグラフの2点をつないで考えます。

\(\bar{v}_{AB}=\displaystyle\frac{\Delta x}{\Delta t}=\frac{2.0}{2.0}=1.0m/s\)

 

\(\bar{v}_{BC}=\displaystyle\frac{\Delta x}{\Delta t}=\frac{6.0}{2.0}=3.0m/s\)

 

グラフを見る限り、\(\bar{v}=\frac{2}{2}=1m/s\)じゃないのか!と思うでしょう。

マス目があるグラフの目盛りは有効数字ではなく厳密値なので、\(1、2、3\)…のように整数で推移していますが、そのグラフの点を読み取る際に、最小目盛りの\(\frac{1}{10}\)の位を読む、というルールが効いてきて、点Bを読み取った時点で、その値が\(x=2.0m、t=2.0s\)となります。そこから計算を進めるので、有効数字2ケタで行くわけです。

 

ただ、グラフだったら何でもそうなるわけではなく、基本問題2のように、マス目のないグラフの場合は、示している数字が有効数字を含めた値を意味します。

 

初めは私も怪しかった知識ですが、物理の教員間でいろいろと検討した結果、マス目の有り無しで変わるね、という理解に着地しました。

 

 

(2)

瞬間の速さはグラフの直線を利用します。

\(v_B=\displaystyle\frac{6.0}{3.0}=2.0m/s\)

 

\(v_C=\displaystyle\frac{12.0}{3.0}=4.0m/s\)

 

与えられている線の端から端まで使って計算したので、模範解答と途中式が違いますが、傾きさえ出ればいいので、どの区間でとってもかまいません。グラフの右上の点を使うときは、最小目盛りの\(\frac{1}{10}\)の位まで取るので、\(x=12\)ではなく\(x=12.0\)としていますが、模範解答ではそのあたりのミスを減らす意図で、点Cそのものの座標を利用しているのかもしれませんね。