鉛直投げ上げの問題です。ただ、ここまでの問題と違って、すべて文字のまま計算することになっています。文字の問題になると物理アレルギーになる人がいますが、有効数字でミスすることはなくなりますので、文字の方が解きやすいという人もいます。
まぁ、好みですね。私は文字式の方がラクです。
文字式問題になった時に注意が必要なのは、単位がつくかつかないか問題です。この問題の場合、問題文に単位が指定されていませんので、時刻も秒なのか分なのか不明ですし、高さも\(m\)なのか\(cm\)なのか不明です。なので、単位をつけて答えると逆に不正解になりますので、気を付けましょう。
投げ上げの問題でキーとなる重要な解釈があります。
それは、
最高点では\(v=0\)となる
ということです。これを利用して問題を解く設定になっています。
鉛直投げ上げの速度の公式から、鉛直上向きを正として、
\(v=v_0-gt\) より
最高点で\(v=0\)なので
\(0=v_0-gt_1\)
\(gt_1=v_0\)
\(t_1=\displaystyle\frac{v_0}{g}\)
このときの高さは、
\(y=v_0t-\displaystyle\frac{1}{2}gt^2\) より
\(h_1=v_0・\displaystyle\frac{v_0}{g}-\frac{1}{2}・g・(\frac{v_0}{g})^2\)
\(h_1=\displaystyle\frac{v_0^2}{g}-\frac{v_0^2}{2g}\)
\(h_1=\displaystyle\frac{2v_0^2}{2g}-\frac{v_0^2}{2g}\)
\(h_1=\displaystyle\frac{v_0^2}{2g}\)
一度最高点まで上がったときの情報が分かっているときに、「運動の対称性」を使うと、その後の問題が素早く解ける場合があります。
「運動の対称性」とは、投げ上げて最高点に物体が運動するときの様子と、最高点から元の高さに戻るときの運動の様子は、距離も速さも時間もすべて同じになる、ということです。
運動の対称性より、投げ上げてから最高点までに要する時間が\(t_1\)ですので、最高点から元の位置に戻るまでの時間も同じく\(t_1\)です。よって、
\(t_2=2t_1\)
\(t_2=\displaystyle\frac{2v_0}{g}\)
とするのが最短方法ですね。
また、速さも運動の対称性から、等しい大きさになります。\(v_0\)で投げ上げたら\(v_0\)で戻ってきます。唯一注意が必要なのは、落ちてくるときには向きが逆になっていますので、速さは等しくても、速度は等しくはありません。そこだけ修正すると、落下するときの速度は
\(v_2=-v_0\)
となります。