リードには難しそうな解答方法が載っていますが、リードの解答の右下に小さく書いてある別解の方が格段に分かりやすいので、そちらの方法を、さらにかみ砕いて説明します。
まず重力を作図してしまいます。
いま、力はつりあっているはずなので、左右の糸がどのくらいずつの力で支えているかは無視して、結局のところは鉛直上向きに重力と同じ大きさで引っ張り上げる力が存在しているはずです。
次に、鉛直上向きの力を、左右の糸がそれぞれどのくらいの大きさで分担しているのかを調べることにしましょう。要は、鉛直上向きの力を糸方向に分解するということです。
糸\(a\)の平行線を鉛直上向きの力の矢印の先に合わせて引きます。
糸\(b\)の平行線も同様です。
これでそれぞれの張力を厳密に求めることができました。
リードの元の解答では、左右の糸の張力をまず何となく作図して、それを分解することで解答を進めているようですが、それでは最初に何となく先入観で作図した張力が実際の解答と違った時に、自分の作図の下手さで自滅してしまって、解けなくなるかもしれません。
しかし、別解の方で作図をすると、矢印の長さが正確に出てきますので、先入観を持っていたとしても、変に勘違いする可能性は低くなると思います。
紫で色付けした直角三角形に注目すると、元の直角三角形と相似関係にあるので、図に記載した通り、③:④:⑤と比を取ることができます。
そのうち、紫の④の辺は、糸\(a\)の張力と同じ大きさなので、赤で④として図に描き加えました。
あとは比の計算で、
糸\(a\)の張力\(=4.8N\)
糸\(b\)の張力\(=3.6N\)
とできますね。