(1)
力を作図するときの手順を追っていきましょう。
物体があれば、まず重力を真っ先に作図します。
次に、接触力を探していきます。
これは、物体の輪郭をなぞっていって、触れているところを探す、という方法をとるのが簡単です。
物体\(A\)の輪郭をなぞると、\(A\)と\(B\)が面で接していました。
触れている部分が面のように、ある程度の幅を持つ場合は、代表してその真ん中に力の作用点を打っておきます。
この図の場合だと、重力の作図線と重なってしまいますので、少しだけずらしておきました。
物体\(B\)も同様に輪郭をなぞっていくと、\(A\)と接している点、床と接している点の2か所に着目すればいいことが分かります。
それぞれの力の作用点から力を作図します。
そして、それぞれの矢印に力の種類を書き込んで、これで作図は終了。
あとは問題を解いていきましょう。
(1)
\(W_A\):\(A\)にかかる重力
\(W_B\):\(B\)にかかる重力
重力は、「地球が○○を引く力」と表現することもできますので、模範解答ではその表現にされていますが、個人的には別にそこまでこだわらなくてもいいかな、とは思います。
\(F_A\):\(A\)にかかる垂直抗力
\(N_B\):\(B\)にかかる垂直抗力
垂直抗力は、「△△が○○を押す力」と表現します。\(F\)と\(N\)で、文字が統一されていないのが気になるところではありますね。普通は、垂直抗力といえば\(N\)を使います。
\(F_B\):\(A\)が\(B\)を押す力
これは、特に力に名称がありませんので、「○が□を押す力」の表現方法でないと表せないですね。
(2)
(1)の模範解答が、「○○が△△を押す(引く)力」となっているのは、この(2)を解くときに都合がいいからだと思います。
作用反作用の関係にあるとき、「何が」の部分と「何を」の部分の日本語を入れ替えると即座に解答を得ることができます。
重力の場合であれば、「地球が○○を引く力」の反作用は「○○が地球を引く力」とすればいいわけです。
このルールに則って解いていくために、どうやら(1)の模範解答が中学で習った時の表現になっているようです。
\(W_B\)の反作用:\(B\)が地球を引く力
\(F_B\)の反作用:\(B\)が\(A\)を押す力
\(N_B\)の反作用:\(B\)が床を押す力
作用反作用の力は、文章表現の上では、このように「何が」と「何を」を入れ替えることで作ります。
作図の上では、同じ作用点から矢印が逆向きに出ているところを探すと見つけやすいですよ。
(3)
\(W_A\)とつりあうのは\(F_A\)です。以上。