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波動4 ホイヘンスの原理

ホイヘンスの原理(1678年)

波動2 で、スリットに進んだ平面波が回折していく、という話をしました。この回折が、なぜ起こるかを説明した一例として、「ホイヘンスの原理」というものがあります。

 

ホイヘンスは、波が進んでいくとき、その波面上の各点各点が波源となって、円形の波形が広がっていく、そしてその波面を重ね合わせた、共通の接線の部分(包絡線という)が、次の波面の形を表す、と言ったのです。

 

このとき、各点各点を波源として考えたときの波を「素元波」といいます。その包絡線が次の波面になるということですね。

 

空中を伝わる波の場合は、素元波は円形波ではなく球面波となりますので、その波の共通な部分は包絡線ではなく包絡面と呼ぶことになります。

 

球面波と包絡面を扱った入試問題は、私は今のところ見たことがありませんが、考え方として頭に入れておくのは良いことだと思います。

 

 

波の反射の法則と、波の屈折の法則は、ホイヘンスの原理を使うと、より詳細に物理的な描像が判明します。ここでは省略しますが、波の反射や屈折について、ホイヘンスの原理を用いた説明をしているものに、一度は目を通しておくといいでしょう。