波の回折
波が進行方向にある障害物の影になるところまで回り込む現象を波の回折と言います。
回折現象は、\(slit\)(隙間)が狭いときや、波長が長いときに現れやすい性質があります。
図を見ると一目瞭然ですね。
この現象がどのように起きているのかを説明する理論としては、ホイヘンスの原理がありますが、ここではホイヘンスの原理まで踏み込まず、単に現象として、こういうことが起こりますよ、という程度で終わらせてしまいますね。
波の反射
波は壁に当たると反射します。
このとき、固定端反射と自由端反射がある、という話を以前にしていますが、平面波であっても同じ現象が起こります。
波が反射するとき、中1理科で学習しているように、入射角と反射角が等しくなります。このことを、反射の法則と言います。
入射角と反射角について軽く復習しておきましょう。
入射角が30°の図をもってきました。入射角の角度のとり方は、面となす角を取るのではなく、面に垂直な線となす角をとるんでしたね。
この図の場合、面の垂線となす角が30°なので、入射角は30°ということになりますね。
反射波を作図すると、このようになるはずです。
ここまでの知識を、中学で学んでいると思います。
ところが、高校物理では、これに上乗せして知識をつけていきます。
波というのは知っての通り、波面として伝わっていきます。
壁にボールが飛んでくるような運動とは違います。
実際は、こんな感じに波面として伝わってきているところを、代表して黒矢印で波が進んでいる様子を示しているわけです。
なので、波面と波の進行を表す矢印は、常に垂直になっている、というところを確認するのが、中学と高校の内容の違いです。
この図はもともと、反射波の進行方向と、点\(P\)を通る反射波の波面を描け、という問題から取ってきた図です。
それぞれ作図してみると、示している図のようになります。
反射波の作図は中学のときと同じように、入射角=反射角となるように作図してやればいいですが、ここに示した反射波に垂直な線のうち、点\(P\)を通る線を作図できるところまで高校では求めているわけですね。