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リ物 基28

(1)

平面の運動量問題のステップに従って解いていきましょう。

 

\(Step1\):運動量を表す矢印を同じ点から作図する

 ここではラクをしたいので、図のボールを原点としてボールから2本の矢印を描くことにします。

 皆さんが解くときは、この図のように解いてもいいですし、新たに別の所に同じ始点を持つ矢印を描いてもいいですね。

 

 運動量の大きさも書き込んでおきましょう。

  \(p=mv\) より

  \(p=0.15[kg]×30[m/s]=4.5[kg・m/s]\)

ですので、両方の矢印の近くに書き込んでおきます。

 

\(Step2\):衝突前の運動量の矢印の先から、衝突後の運動量の矢印の先に線を引く

 引いた線が加えた力積を表していますので、この矢印の向きと大きさを求めてやれば解答終了となります。

 

 余弦定理を使って直接求めてもいいですが、余弦定理を使いこなせる数学力がある人は、おそらくこの解説ページには来ていないでしょう。

 

 ボールから力積の矢印の線に向かって垂線を引きます。すると、図の青い直角三角形が表れ、これがちょうど\(1:2:\sqrt{3}\)の比の三角形になっています。

 

 垂線の部分を\(1\)とすると、運動量が\(2\)、力積の矢印の半分が\(\sqrt{3}\)になりますね。ということは、

 運動量:加えた力積 \(= 2:2\sqrt{3} = 1:\sqrt{3}\)

という比の関係が成立します。つまり、

 運動量 \(×\sqrt{3} =\) 加えた力積

ということですので、

 加えた力積\(I=4.5\sqrt{3}\)

  \(≒4.5×1.73\)

  \(=7.785≒7.8[N・s]\)

と求まりました。

 

(2)

力積の公式は \(I=F\Delta t\) です。

いま、問題文より\(\Delta t=1.0×10^{-2}[s]\)で、力積は(1)から\(I=7.8[N・s]\)だと求まっています。

それぞれ代入すると、

 \(7.8=F×10^{-2}\)

 \(F=7.8×10^2[N]\)

となりました。