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リ物 基29

(1)

一体化問題は運動量と力積の問題です。

弾丸が衝突する前の運動量の合計が、衝突したあとの運動量と一致するように式を立ててやりましょう。

 

衝突前、弾丸の運動量は\(mv_0\)、木片の運動量は\(0\)です。

衝突後、弾丸と木片は一体化して、質量\(M+m\)になります。

この一体化した物体の速度を\(V\)とするので、運動量は\((M+m)V\)と書くことができます。

 

よって

 \(mv_0=(M+m)V\) より

 

 \(V=\displaystyle\frac{mv_0}{M+m}\)

 

(2)

どれだけの高さまで上がるか、という問題は、衝突が関係ない部分ですので、もはや運動量と力積の問題ではありません。

ここでは力学的エネルギー保存則を使います。

各点のエネルギー値は次のとおりです。

 

  下端 最高点
位置エネルギー

0

\((M+m)gh\)
運動エネルギー \(\displaystyle\frac{1}{2}(M+m)V^2\) 0
力学的エネルギー E E

 

力学的エネルギーは具体値を計算していませんが、仮に下端の力学的エネルギーを\(E\)とすると、最高点でも同じ値\(E\)になります。

 

保存則を考えると、

 

 \(\displaystyle\frac{1}{2}(M+m)V^2=(M+m)gh\) より

 

 \(\displaystyle\frac{1}{2}V^2=gh\)

 

\(V\)には(1)で求まった値を代入しましょう。

 

 \(gh=\displaystyle\frac{1}{2} \left(\frac{mv_0}{M+m}\right)^2\)

 

 \(h=\displaystyle\frac{1}{2g}\left( \frac{mv_0}{M+m}\right)^2\)