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リ物 基38

(1)

\(2\)球が同じ質量で、完全弾性衝突\((e=1)\)をするとき、速度交換といって、ぶつかる玉の速度がそのままぶつかられる方の玉に移ります。

図のような、「ニュートンのゆりかご」と言われる実験器具がありますが、これと同じ状況の問題です。

 

なので、きちんと立式して解いてもいいですが、即座に

 \(v_A=0\)  \(v_B=v_0\)

 

でいいと思います。運動エネルギーの和についても、質量も速度も同じですから、衝突前後で変わりません。

よって、変化量\(=0\)です。

 

 

(2)

完全非弾性衝突であれば、もちろん速度交換は成立しません。

運動量保存則より

 \(mv_0=mv_A+mv_B\)

反発係数の式より

 \(e(=0)=\displaystyle\frac{v_B-v_A}{v_0}\)

 

これらを整理して連立すると、

 [運動量]  \(v_0=v_A+v_B\)

 [反発係数] \(0=v_B-v_A\)

 

辺々足して

 \(v_0=2v_B\)

 

よって \(v_B=\displaystyle\frac{v_0}{2}\)

 

ついでに\(v_A=v_B\)から \(v_A=\displaystyle\frac{v_0}{2}\)

 

 

運動エネルギーについて、衝突前は

 \(K=\displaystyle\frac{1}{2}mv^2\)

 

衝突後のエネルギー和は、

 

 \(K=\displaystyle\frac{1}{2}mv_A^2+\frac{1}{2}mv_B^2\)

 

  \(=\displaystyle\frac{1}{2}m\left(\frac{v_0}{2} \right)^2 + \frac{1}{2}m\left(\frac{v_0}{2} \right)^2\)

 

  \(=\displaystyle\frac{1}{8}mv_0^2 +\frac{1}{8}mv_0^2\)

 

  \(=\displaystyle\frac{1}{4}mv_0^2\)

 

なので、変化量は

 

 \(\Delta K = \displaystyle\frac{1}{4}mv_0^2-\frac{1}{2}mv_0^2\)

 

  \(=-\displaystyle\frac{1}{4}mv_0^2\)

 

となります。