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リ物 基39

壁にぶつかって跳ね返るとき、壁から力積をうけます。

ですが、この力積は壁に垂直に加わりますので、鉛直方向には何の影響ももたらしません。

 

すると、点\(P\)に落下するとき、少なくとも、落下時間については高さ\(h\)からの自由落下と同じ時間だということがわかります。

 

もし仮に、壁で弾性衝突\((e=1)\)をするとしたら、壁がないものとして進んだ経路を、壁について線対称に折り返した軌道を描く、ということも知っておくと便利ですよ。

今回は残念ながら\(e=1\)ではないので、少しだけ短い地点にはね返るようですね。

 

(1)

高さ\(h\)から自由落下する時間と同じです。

 

 \(h=\displaystyle\frac{1}{2}gt^2\) より

 

 \(t^2=\displaystyle\frac{2h}{g}\)

 

 \(t=\displaystyle\sqrt{\frac{2h}{g}}\)

 

 

(2)

壁に衝突するまでに要する時間を\(t_0\)とすると、水平方向には等速運動をするので、距離÷速さより、

 

 \(t_0=\displaystyle\frac{L}{v_0}\)

 

ここから壁で反発して、残りの高さ分を落下するのに要する時間を\(t'\)とすると、

 \(t’=t-t_0\) より

 

 \(t'=\displaystyle\sqrt{\frac{2h}{g}}-\frac{L}{v_0}\)

 

壁で反発したあとの速さは元の速さの\(e\)倍になって、\(ev_0\)で左向きに進むことになります。

この速さで\(t'\)の時間かけて進む距離が\(x\)ですね。

よって

 \(x=ev_0×t'\) より

 

 \(x=ev_0\left(\displaystyle\sqrt{\frac{2h}{g}}-\frac{L}{v_0}\right)\)

 

 \(x=e \left( \displaystyle v_0 \sqrt{\frac{2h}{g}}-L \right) \)