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リ物 応23

(1)

作図は図の通りです。おもりが真ん中より少し右に寄っていますので、\(N_C\)より\(N_D\)の矢印の方を長くしておく方がよさそうですね。

 

そして、肝心の\(N_C\)と\(N_D\)の大きさは、力のモーメントのつり合いによって求めることができます。\(N_C\)も\(N_D\)も未知数なので、変なところを力のモーメントの支点に決めてしまうと、未知数が\(2\)つ残り、計算が複雑になりそうです。

 

そこで、点\(C\)もしくは点\(D\)を支点として力のモーメントの式を立てるといいですね。

 

試しに、点\(D\)周りの力のモーメントの式を立ててみましょう。

まず\(N_D\)についてですが、力のモーメントの公式が「力×距離」ですので、距離が\(0\)となり、式が消えます。

力のモーメントは\(0\)ということになり、\(N_D\)は支点を回転させる能力がない、という意味になります。

 

その他の力については、点\(D\)を中心として、右回りの力のモーメント=左回りの力のモーメント、という式を立てればいいですので、

 

 \(N_C[N]×0.40[m] = 12[N]×0.20[m] + 24[N]×0.10[m]\)

両辺\(10\)倍すると

 \(4N_C=12×2 + 24\)

 \(4N_C=24+24\)

 \(4N_C=48\)

 \(N_C=12[N]\)

 

となりました。同様に点\(C\)周りの力のモーメントの式を立てると、\(N_D\)も求めることができますが、\(N_C\)が求まってしまいさえすれば、そもそも鉛直方向の力のつり合いから、鉛直下向きに合計\(36[N]\)の力が加わっているので、鉛直上向きにも\(N_C+N_D=36[N]\)の力が加わっているはずですので、そこから考えて、

 \(N_D=24[N]\)

としてしまう方が早いです。

 

(2)

おもりを右に動かしていくとき、明らかに点\(D\)を超えた先まで動かさないと棒がひっくり返る要素はない、ということが分かっている前提で考えます。

 

点\(D\)から右に\(x[m]\)の点で棒がひっくり返ったとします。図は省略しますので、必要な人は自分で図を描いてみてください。

 

このとき、点\(D\)周りの力のモーメントが、「右回りの力のモーメント>左回りの力のモーメント」となれば棒が回転します。そのギリギリのところを表すには、「右回りの力のモーメント=左回りの力のモーメント」を探せばいいわけです。

このギリギリの点では、ちょうどてんびんがつり合った状態と同じですので、支柱\(C\)をスッと抜き取ってもうまい具合につり合いが取れている状態になります。

その点よりもおもりが右に行くと棒がひっくり返るわけですからね。

 

さぁ解答的な話をしましょう。棒がひっくり返る瞬間、点\(C\)における垂直抗力がなくなり、\(N_C=0\)となります。

そして、点\(D\)周りの力のモーメントは、棒の重さとおもりの重さの2つのみから考慮すればいいので、

 

 \(12[N]×0.20[m] = 24[N]×x[m]\)

両辺\(12\)で割って

 \(0.2=2x\)

 \(x=0.10[m]\)

 

となりました。ここで、\(x\)は点\(D\)から右への距離として自分で起きましたので、解答の仕方としては、

 点\(D\)から右へ\(0.10m\)の点

もしくは

 初めの位置から右へ\(0.20m\)移動させた点

あるいは

 点\(A\)から右へ\(0.70m\)の点

と答えても問題ありません。点\(B\)から左に~でもいいです。

最後の解答の仕方は、誰が読んでも、場所が一義的に決まるように説明しましょう。