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リ物 応40

(1)

2つの相対速度が0となる、というのは、ばねが最大限まで縮んで、2つの物体が一体化している状態をいいます。その後この物体系は再び離れていきますが、(1)では最大限まで縮んだ瞬間のみを題材にしているので、その後のことは一旦おいておきます。

 

衝突前のそれぞれの運動量を求めて、その和を計算すると、

 \(m×2v + 3m×v = 2mv+3mv = 5mv\)

 

衝突後、一体となっているときの運動量は、合計質量が\(4m\)で、速度を\(V\)としているので、

 \(4mV\)

 

運動量保存則より

 \(5mv=4mV\)

 \(V=\displaystyle\frac{5}{4}v\)

 

 

(2)

同じような作業を、運動エネルギーでもやってみましょう。

 

衝突前のそれぞれの運動エネルギーを求めて、その和を計算すると、

 

 \(\displaystyle\frac{1}{2}m・(2v)^2 + \frac{1}{2}・3mv^2\)

 

  \(=\displaystyle\frac{4}{2}mv^2 + \frac{3}{2}mv^2\)

 

  \(=\displaystyle\frac{7}{2}mv^2\)

 

衝突後の運動エネルギーは、

 

 \(\displaystyle\frac{1}{2}・4mV^2\)

 

  \(=\displaystyle\frac{1}{2}・4m・\left( \frac{5}{4}v \right)^2 \)

 

  \(=\displaystyle 2m・\frac{25}{16}v^2\)

 

  \(=\displaystyle\frac{25}{8}mv^2\)

 

この差\(\Delta K\)を求めると、

 

 \(\Delta K = \displaystyle\frac{25}{8}mv^2-\frac{7}{2}mv^2\)

 

  \(=\left( \displaystyle\frac{25}{8}-\frac{28}{8} \right) mv^2\)

 

  \(=-\displaystyle\frac{3}{8}mv^2\)

 

 

(3)

運動エネルギーだけでなく、力学的エネルギー全体の保存を考えると、最初に持っていた運動エネルギーが、一体化しているときには、別の運動エネルギーと弾性エネルギーとの和になっていると考えることができます。

 

つまり、力学的エネルギー保存則より

 初めの運動エネルギー = 後の運動エネルギー + 弾性エネルギー

という関係が成立しています。

 

そのうち、「後の運動エネルギー-初めの運動エネルギー」が\(\Delta K\)ですので、運動エネルギーが減った分はすべて弾性エネルギーになったと考えることができます。

そこで、符号に気をつけて、「減った分の運動エネルギー=弾性エネルギー」としてやって、

 \(\displaystyle\frac{3}{8}mv^2=\frac{1}{2}kx^2\)

 

 \(kx^2=\displaystyle\frac{3}{4}mv^2\)

 

 \(x^2=\displaystyle\frac{3m}{4k}v^2\)

 

 \(x=\displaystyle\frac{v}{2}\sqrt{\frac{3m}{k}}\)

 

\(4\)をルートの外に出し忘れないようにしましょう。物理は数学と違って、入っていても不正解にはならないとは思いますが、出てる方がきれいです。