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まず、問題を解く前に作図をしましょう。
この問題では、ばねが棒を上向きに引く弾性力と、おもりAの重力、おもりBの重力、それから棒自身に加わる重力を作図して、トータルで4本の力が棒に加わる図になりますね。
おもりの質量は不明ですので、最初のうちはそれぞれ\(m_A g\)、\(m_B g\)としておくか、もしくは\(g=9.8m/s^2\)だけ代入して、それぞれ\(9.8m_A\)、\(9.8m_B\)としておいて図中に書き込んでおきます。
棒の質量は\(1.0[kg]\)なので、棒に加わる重力は\(mg=9.8[N]\)ですね。
ばねの弾性力も求めておきます。フックの法則\(F=kx\)より、
\(kx=980×0.10\)
\(=98[N]\)
さて、本題です。これらの値を使って、質量\(m_A\)と\(m_B\)を求めましょう。
いま、未知数が二つありますので、普通に考えれば連立式を解く必要がありそうです。ですが、力のモーメントの問題のときには原点の取り方を工夫することで、未知数を減らすことができます。
ここでは、点Aを原点に設定してみましょう。点A周りの力のモーメントのつり合いの式は、
(弾性力による力のモーメント)=(棒の重さによる力のモーメント)+(おもりBによる力のモーメント)
を立式すれば良いことになります。原点をAに設定することで、おもりAの力のモーメントが、\(0\)になるので、未知数を一つ減らすことができます。
\(7[cm]×98[N] = 10[cm]×9.8[N] + 20[cm]×9.8m_B[N]\)
\(7・98 = 98 + 2・98m_B\)
\(7 = 1 + 2m_B\)
\(2m_B=6\)
\(m_B=3.0[kg]\)
となりました。
また、\(m_B\)が求まったので、鉛直方向の力のつり合いの式を立てると、
\(98[N] = 9.8m_A + 9.8[N] + 3.0×9.8\)
となり、両辺\(9.8\)で割ると、
\(10=m_A+1+3\)
\(m_A=6.0[kg]\)
も、再び力のモーメントの式を解くことなく素早く解くことができます。