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リ物 基13

(1)

まず、問題を解く前に作図をしましょう。

この問題では、ばねが棒を上向きに引く弾性力と、おもりAの重力、おもりBの重力、それから棒自身に加わる重力を作図して、トータルで4本の力が棒に加わる図になりますね。

 

おもりの質量は不明ですので、最初のうちはそれぞれ\(m_A g\)、\(m_B g\)としておくか、もしくは\(g=9.8m/s^2\)だけ代入して、それぞれ\(9.8m_A\)、\(9.8m_B\)としておいて図中に書き込んでおきます。

 

棒の質量は\(1.0[kg]\)なので、棒に加わる重力は\(mg=9.8[N]\)ですね。

 

ばねの弾性力も求めておきます。フックの法則\(F=kx\)より、

 \(kx=980×0.10\)

  \(=98[N]\)

 

さて、本題です。これらの値を使って、質量\(m_A\)と\(m_B\)を求めましょう。

いま、未知数が二つありますので、普通に考えれば連立式を解く必要がありそうです。ですが、力のモーメントの問題のときには原点の取り方を工夫することで、未知数を減らすことができます。

 

ここでは、点Aを原点に設定してみましょう。点A周りの力のモーメントのつり合いの式は、

 

 (弾性力による力のモーメント)=(棒の重さによる力のモーメント)+(おもりBによる力のモーメント)

 

を立式すれば良いことになります。原点をAに設定することで、おもりAの力のモーメントが、\(0\)になるので、未知数を一つ減らすことができます。

 

 \(7[cm]×98[N] = 10[cm]×9.8[N] + 20[cm]×9.8m_B[N]\)

 \(7・98 = 98 + 2・98m_B\)

 \(7 = 1 + 2m_B\)

 \(2m_B=6\)

 \(m_B=3.0[kg]\)

 

となりました。

 

また、\(m_B\)が求まったので、鉛直方向の力のつり合いの式を立てると、

 

 \(98[N] = 9.8m_A + 9.8[N] + 3.0×9.8\)

となり、両辺\(9.8\)で割ると、

 \(10=m_A+1+3\)

 \(m_A=6.0[kg]\)

 

も、再び力のモーメントの式を解くことなく素早く解くことができます。