瓶の口が開いています。気体は自由に出入りすることができますね。
はじめ、気体が\(27\)℃、つまり\(300K\)でしたが、これを\(87\)℃、つまり\(360K\)にすると、温められた気体は膨張しますので、いくらかの気体が瓶の外に逃げていきます。
これが、はじめの気体の量の何%の分量ですか、という問題です。
指針としては、初期状態の気体の物質量\(n_0\)を求めて、膨張後の気体の物質量\(n\)を求めて、どのくらい減ったかをそれぞれ数値で示してしまえば、あとは変化量を聞かれようが、割合を聞かれようが、簡単な計算で処理できそうですね。
[加熱前]
状態方程式 \(pV=n_0RT\) より
\(pV=n_0R・300\)
\(n_0=\displaystyle\frac{pV}{300R}\)
[加熱後]
同様に、\(pV=nRT\) より
\(pV=nR・360\)
\(n=\displaystyle\frac{pV}{360R}\)
瓶の口が開いているので、圧力\(p\)はどちらも同じ値で、もし仮に数値で示せば大気圧\(1013hPa\)あたりの値となるはずです。
加熱前より加熱後の方が気体は少なくなっています。これが元の何倍になっているか計算してみましょう。
\(\displaystyle\frac{n}{n_0}=\frac{\frac{pV}{360R}}{\frac{pV}{300R}}\)
\(=\displaystyle\frac{pV}{360R}÷\frac{pV}{300R}\)
\(=\displaystyle\frac{pV}{360R}×\frac{300R}{pV}\)
\(=\displaystyle\frac{5}{6}\)
つまり、気体を加熱して膨張したことによって、元の気体が\(\frac{1}{6}\)だけ減少したということが分かりますので、これを%で表すと、
\(\displaystyle\frac{1}{6}≒0.166666666…≒0.17=17\)%
となりました。