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リ物 基111

瓶の口が開いています。気体は自由に出入りすることができますね。

 

はじめ、気体が\(27\)℃、つまり\(300K\)でしたが、これを\(87\)℃、つまり\(360K\)にすると、温められた気体は膨張しますので、いくらかの気体が瓶の外に逃げていきます。

 

これが、はじめの気体の量の何%の分量ですか、という問題です。

 

指針としては、初期状態の気体の物質量\(n_0\)を求めて、膨張後の気体の物質量\(n\)を求めて、どのくらい減ったかをそれぞれ数値で示してしまえば、あとは変化量を聞かれようが、割合を聞かれようが、簡単な計算で処理できそうですね。

 

 

[加熱前]

状態方程式 \(pV=n_0RT\) より

 \(pV=n_0R・300\)

 

 \(n_0=\displaystyle\frac{pV}{300R}\)

 

[加熱後]

同様に、\(pV=nRT\) より

 \(pV=nR・360\)

 

 \(n=\displaystyle\frac{pV}{360R}\)

 

瓶の口が開いているので、圧力\(p\)はどちらも同じ値で、もし仮に数値で示せば大気圧\(1013hPa\)あたりの値となるはずです。

 

加熱前より加熱後の方が気体は少なくなっています。これが元の何倍になっているか計算してみましょう。

 

 \(\displaystyle\frac{n}{n_0}=\frac{\frac{pV}{360R}}{\frac{pV}{300R}}\)

 

  \(=\displaystyle\frac{pV}{360R}÷\frac{pV}{300R}\)

 

  \(=\displaystyle\frac{pV}{360R}×\frac{300R}{pV}\)

 

  \(=\displaystyle\frac{5}{6}\)

 

つまり、気体を加熱して膨張したことによって、元の気体が\(\frac{1}{6}\)だけ減少したということが分かりますので、これを%で表すと、

 

 \(\displaystyle\frac{1}{6}≒0.166666666…≒0.17=17\)%

 

となりました。