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リ物基 基問32

小石\(A\)と小石\(B\)がありますが、小石\(A\)は自由落下、小石\(B\)は鉛直投げ下ろし、というスタイルでの実験になっています。

この問題で一番重要になってくるポイントは、投げるタイミングが\(2.0s\)だけズレているという点です。

 

落体の速度の公式では、\(v=gt\)を使おうが、\(v=v_0+gt\)を使おうが、\(t\)にはふつう、落下させ始めたときから何秒か、という値を代入します。

 

ところが、この問題では、先に小石\(A\)を落下させて、\(2.0s\)間だけ待ってから小石\(B\)を落下させているため、仮に\(t=1.0s\)なりを代入しようとすると、小石\(A\)については問題なく解けると思いますが、小石\(B\)は落ち始めてもない、という状況におちいってしまいます。しかも、時刻\(t\)は、問題文を見る限りでは、小石\(B\)が落ち始めてからの時間としているようなので、\(t=0s\)のときにはすでに小石\(A\)は落ちてしまっています。

 

ではどうしたらいいのか。

 

非常に単純な話で、小石\(B\)が落ち始める時刻\(t=0s\)には、小石\(A\)はすでに\(2.0s\)だけ落下しているので\(t\)の代わりに、\((t+2.0)\)としておけばいいわけです。

 

 小石\(B\) ⇒ 時刻を\(t\)とする

 小石\(A\) ⇒ 時刻を\((t+2.0)\)とする

 

よって、それぞれの小石の変位を\(y_A,y_B\)とすると、

 

 [正の向きの定義] 鉛直下向きを正として、

 

 [公式宣言] \(y=v_0t+\displaystyle\frac{1}{2}gt^2\) より

 

 [数値代入]

 

  \(y_A=\displaystyle\frac{1}{2}×9.8×\)\((t+2.0)^2\)

 

  \(y_B=24.5\)\(t\)\(+\displaystyle\frac{1}{2}×9.8×\)\(t^2\)

 

よって

  \(y_A=4.9(t+2.0)^2\)

  \(y_B=24.5t+4.9t^2\)

 

これらの小石は地面に同時に落ちるので、\(y_B=h\)となるとき、同時に小石\(A\)も、ちょうど\(y_A=h\)となります。

つまり、\(y_A=y_B\)となるので、

 

  \(4.9(t+2.0)^2=24.5t+4.9t^2\)

両辺\(4.9\)で割ると、

  \((t+2)^2=5t+t^2\)

  \(t^2+4t+4=5t+t^2\)

  \(4t+4=5t\)

  \(t=4.0s\)

 

となりました。

 

(2)

\(t\)が求まってしまえば、いま\(y_A=y_B=h\)なので、あとは\(y_A\)でも\(y_B\)でも好きな方に代入してしまえばいいですね。

ここでは仮に\(y_A\)に代入することにしてみましょうか。

 

 \(y_A(=h)=4.9(4.0+2.0)^2\)

 \(h=4.9×6.0^2\)

 \(h=4.9×36\)

 \(h=176.4\)

 \(h≒1.8×10^2[m]\)

 

となりました。