(1)
水平投射では、水平方向に初速度があったとしても、鉛直方向には初速度がありませんので、鉛直方向については自由落下していることと同等として解きます。
この問題では\(0.40m\)自由落下する時間は何\(s\)ですか、と問われているのと同じですので、\([m]\)の公式を持ってきて解きましょう。
鉛直下向きを正の向きとして、
\(y=\displaystyle\frac{1}{2}gt^2\) より
\(0.40=\displaystyle\frac{1}{2}×9.8×t^2\)
\(t^2=\displaystyle\frac{0.40}{4.9}\)
\(t^2=\displaystyle\frac{4}{49}\)
\(t=\displaystyle\frac{2}{7}\)
\(t≒0.2857…≒0.29[s]\)
(2)
水平方向には重力が加わりませんので、等速直線運動をしているとして考えましょう。
\(x=v_0t\) より
\(0.40=v_0×\displaystyle\frac{2}{7}\)
\(v_0=0.40×\displaystyle\frac{7}{2}\)
\(v_0=1.4[m/s]\)
(3)
\(x=v_0t\)の式で\(x\)を\(2\)倍にするには、\(v_0\)を\(2\)倍にするか、\(t\)を\(2\)倍にするかの\(2\)択ですね。
同じ高さから水平投射させるのであれば、落下時間は変わりませんので、\(v_0\)を\(2\)倍にするしかなさそうです。
よって、\(2\)倍。
(4)
(3)の考え方からいくと、\(v_0\)を変えないのであれば、\(t\)を\(2\)倍にしたときに飛距離が\(2\)倍になって、点\(B\)に落ちてくれそうです。
(1)で、\(0.40[m]\)の高さを落下する時間が\(\displaystyle\frac{2}{7}[s]\)だと求まりましたので、この問題では、\(h[m]\)落下する時間が、その倍の\(\displaystyle\frac{4}{7}[s]\)になってくれればいいわけです。
自由落下の公式から解いてみましょう。
\(h=\displaystyle\frac{1}{2}gt^2\) より
\(h=\displaystyle\frac{1}{2}×9.8×\left( \frac{4}{7}\right)^2\)
\(h=4.9×\displaystyle\frac{16}{49}\)
\(h=1.6[m]\)
となりました。これは、最初の高さと比較すると、\(4\)倍ですね。
この問題では、点\(A\)と点\(B\)の距離の差が\(2\)倍、と問題文に書いてあるので、倍数を求める問題では有効数字\(1\)桁に丸まって、\(2\)倍、\(4\)倍、と答えましたが、問題文によっては倍数に有効数字を混ぜてくることがありますので、たとえば問題文に「点\(A\)と点\(B\)の距離の差が\(2.0\)倍」のような表記で出題されたときには、(3)の解答も\(2.0\)倍、としておいた方が無難だと思います。