まずは使っているばねの、ばね定数を求めておきましょう。
問題文2行目のところに、「\(B\)に重さ\(10N\)の物体\(P\)を下げたら、\(AB\)の長さ\(l_1\)は\(24cm\)になった」とありますので、
\(F=kx\) より
\(10=k×4\)
\(k=2.5[N/cm]\)
となります。(1)(2)(3)で問われている長さがセンチ単位になっていますので、あえてばね定数をセンチ単位のものにしておきます。
教科書通り \(N/m\) の単位に直して問題を解いてもいいですが、毎回毎回\(1m=100cm\)を念頭に置いたまま計算しないといけませんので、この問題の場合は邪魔くさい計算になります。
さて、この問題、板\(R\)の場所によって、ばねが伸びている場合もあれば、縮んでいる場合もあります。どういうときに伸びていて、どういうときに縮んでいるのかを考えながら解くと大変そうですので、ここではシンプルに、両方のばねがのびていることにします。
実際はどうなっているかはわかりません。計算してマイナスが出たら縮んでいたと分かりますので、とりあえず仮置きで両方とも伸びていることにしておきます。
伸びた後の、上のばねの長さを\(l_1\)、下のばねの長さを\(l_2\)とすると、それぞれのばねの自然長は\(20cm\)であることから、ばねの伸びは、
\(AB\):\(l_1-20[cm]\)
\(CD\):\(l_2-20[cm]\)
となります。
ここでも長さは全てセンチ単位で考えていることに注意してください。この問題、ずっとセンチ単位で解いていきます。
これらより、おもりに加わる力のつり合いの式は、
\(P\):ばね\(AB\)が上に引く力=\(P\)の重さ+ばね\(CD\)が下に引く力
\(k(l_1-20)=10+k(l_2-20)\)
\(Q\):ばね\(CD\)が上に引く力+垂直抗力=\(Q\)の重さ
\(k(l_2-20)+F=20\)
となります。
\(k=2.5\)を代入すると、
\(2.5(l_1-20)=10+2.5(l_2-20)\)
\(2.5(l_2-20)+F=20\)
となるので、展開して、
\(2.5l_1-50=10+2.5l_2-50\)
\(2.5l_2-50+F=20\)
整理して
\(2.5l_1=10+2.5l_2\) ――①
\(2.5l_2=70-F\) ――②
②を①へ代入
\(2.5l_1=10+70-F\)
\(2.5l_1=80-F\)
\(F=80-2.5l_1\)
となりました。
問題文の(1)(2)(3)の数値は、\(AB\)の長さですので、\(l_1\)を表しています。
これらを代入すると、
(1) \(F=80-2.5×18=80-45=35[N]\)
(2) \(F=80-2.5×20=80-50=30[N]\)
(3) \(F=80-2.5×24=80-70=10[N]\)
となり、続けて②式に\(F\)を代入すると、
(1) \(2.5l_2=70-35\)
\(2.5l_2=35\)
\(l_2=14[cm]\)
(2) \(2.5l_2=70-30\)
\(2.5l_2=40\)
\(l_2=16[cm]\)
(3) \(2.5l_2=70-10\)
\(2.5l_2=60\)
\(l_2=24[cm]\)
となりました。
3問あること自体はあまり関係なさそうですね。