(1)
領域Ⅰでは、原子核はローレンツ力を受けますが、電場をかけてそれを打ち消しています。
ちょうどローレンツ力\(qvB\)と、クーロン力\(qE\)がつり合った状態ですので、力のつり合いから、
\(qE=qvB\) より
\(v=\displaystyle\frac{E}{B}\)
向きはフレミングの法則から、紙面のウラからオモテへの向きですね。
(2)
円運動している間は、等速の円運動ですので運動方程式で解けます。
\(m\displaystyle\frac{v^2}{r}=qvB\) より
\(m\displaystyle\frac{v^2}{\frac{l}{2}}=ZevB\)
\(m\displaystyle\frac{2v}{l}=ZeB\)
\(l=\displaystyle\frac{2mv}{ZeB}\)
\(l=\displaystyle\frac{2m}{ZeB}・\frac{E}{B}\)
\(=\displaystyle\frac{2mE}{ZeB^2}\)
(3)
(2)の結果を見ると、\(E\)、\(B\)、\(Z\)が一定のとき、\(l\)は\(m\)の大小で変わる量だとわかります。
同じ元素ということで\(Z\)は同じですが、\(m\)が変わるとしたら、これは中性子の数によるものだと気づきます。
なので、中性子の数の違いによって\(m\)が異なることが説明できればいいので、同位体が混ざっていた、というようなことが書かれていればokでしょう。