(1)
アップクォーク(u)は\(\displaystyle\frac{2}{3}e\)、ダウンクォーク(d)は\(-\displaystyle\frac{1}{3}e\)であることが知られていますので、暗記対応で答えてしまってもいいですが、一応考え方も示しておきます。
陽子はアップクォーク2つとダウンクォーク1つから構成されていることが判明しています。アップクォークの電気量を\(x\)、ダウンクォークの電気量を\(y\)とおくと、
\(2x+y=e\)
という関係になります。
一方、中性子はアップクォーク1つとダウンクォーク2つから構成されていることが判明しています。なので、
\(x+2y=0\)
という関係になります。
この2式を連立して解くと、
\(x=\displaystyle\frac{2}{3}e\)、\(y=-\displaystyle\frac{1}{3}e\)となりますので、それぞれの電気量が求まる、という考え方です。
(2)
\(\pi\)中間子は、粒子と反粒子から構成されます。
反粒子とは、電荷の符号だけが逆で、そのほかの情報は元と同じ粒子です。なので、電気量のことだけを考えると、
アップクォーク:\(\displaystyle\frac{2}{3}e\)
反アップクォーク:\(-\displaystyle\frac{2}{3}e\)
ダウンクォーク:\(-\displaystyle\frac{1}{3}e\)
反ダウンクォーク:\(\displaystyle\frac{1}{3}e\)
となります。そして、\(\pi\)中間子の種類は全部で四種類あり、
\((u \overline{u})\)、\((u \overline{d})\)、\((d \overline{u})\)、\((d \overline{d})\)
があります。これらの電気量を計算すると、
\((u \overline{u})\) : \(\displaystyle\frac{2}{3}e-\frac{2}{3}e=0\)
\((u \overline{d})\) : \(\displaystyle\frac{2}{3}e+\frac{1}{3}e=e\)
\((d \overline{u})\) : \(-\displaystyle\frac{1}{3}e-\frac{2}{3}e=-e\)
\((d \overline{d})\) : \(-\displaystyle\frac{1}{3}e+\frac{1}{3}e=0\)
となり、電気量で分類すると、\(0\)、\(+e\)、\(-e\)の3種類ということになります。