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リ物 基348

(1)

アップクォーク(u)は\(\displaystyle\frac{2}{3}e\)、ダウンクォーク(d)は\(-\displaystyle\frac{1}{3}e\)であることが知られていますので、暗記対応で答えてしまってもいいですが、一応考え方も示しておきます。

 

陽子はアップクォーク2つとダウンクォーク1つから構成されていることが判明しています。アップクォークの電気量を\(x\)、ダウンクォークの電気量を\(y\)とおくと、

 \(2x+y=e\)

という関係になります。

 

一方、中性子はアップクォーク1つとダウンクォーク2つから構成されていることが判明しています。なので、

 \(x+2y=0\)

という関係になります。

 

この2式を連立して解くと、

 \(x=\displaystyle\frac{2}{3}e\)、\(y=-\displaystyle\frac{1}{3}e\)となりますので、それぞれの電気量が求まる、という考え方です。

 

 

(2)

\(\pi\)中間子は、粒子と反粒子から構成されます。

反粒子とは、電荷の符号だけが逆で、そのほかの情報は元と同じ粒子です。なので、電気量のことだけを考えると、

 

 アップクォーク:\(\displaystyle\frac{2}{3}e\)

 反アップクォーク:\(-\displaystyle\frac{2}{3}e\)

 ダウンクォーク:\(-\displaystyle\frac{1}{3}e\)

 反ダウンクォーク:\(\displaystyle\frac{1}{3}e\)

 

となります。そして、\(\pi\)中間子の種類は全部で四種類あり、

 

 \((u \overline{u})\)、\((u \overline{d})\)、\((d \overline{u})\)、\((d \overline{d})\)

 

があります。これらの電気量を計算すると、

 

 \((u \overline{u})\) : \(\displaystyle\frac{2}{3}e-\frac{2}{3}e=0\)

 \((u \overline{d})\) : \(\displaystyle\frac{2}{3}e+\frac{1}{3}e=e\)

 \((d \overline{u})\) : \(-\displaystyle\frac{1}{3}e-\frac{2}{3}e=-e\)

 \((d \overline{d})\) : \(-\displaystyle\frac{1}{3}e+\frac{1}{3}e=0\)

 

となり、電気量で分類すると、\(0\)、\(+e\)、\(-e\)の3種類ということになります。