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リ物基 応問108

(1)

点\(A\)と点\(B\)で力学的エネルギー保存則を用いると、

 

 \(mgR=\displaystyle\frac{1}{2}mv^2\)

 

 \(v=\sqrt{2gR}\)

 

 

(2)

物体が摩擦面を通過すると、力学的エネルギーは熱エネルギーなどに変換されてしまいます。

このとき、どのくらいのエネルギーに相当するかを考え、それが最初に物体が持っていた位置エネルギーから減る、という考え方を使います。

 「点\(A\)での位置エネルギー-摩擦で使ったエネルギー=点\(X\)での位置エネルギー」

という考え方です。

 

斜面上の物体に加わる動摩擦力は

 \(f'=\mu' N=\mu'mgcos\theta\)

なので、摩擦がある斜面で物体が失うエネルギーは、\(CX\)の長さを\(d\)とすると、仕事の公式(力×距離)を使って、

 \(W=-f'd=-\mu'mgdcos\theta\)

となります。

 

よって、エネルギー保存則から、

 \(mgR-\mu'mgdcos\theta=mgdsin\theta\)

 

 \(R=d(sin\theta+\mu'cos\theta)\)

 

 \(d=\displaystyle\frac{R}{sin\theta +\mu' cos\theta}\)

 

となります。

 

 

(3)

点\(C\)から点\(X\)に進むのに摩擦面によってエネルギーが \(\mu'mgdcos\theta\) だけ失われるので、点\(X\)から点\(C\)に再び下りるときにも同じく摩擦面によってエネルギーが \(\mu'mgdcos\theta\) だけ失われます。

 

 「点\(A\)での位置エネルギー - C⇒Xで使うエネルギー - X⇒Cで使うエネルギー = 点\(Y\)での位置エネルギー」

 

というエネルギー量を考えると、

エネルギー保存則から

 

 \(mgR-2\mu'mgdcos\theta=mgH\)

 

 \(H=R-2\mu'dcos\theta\)

 

  \(=\displaystyle\frac{sin\theta+\mu'cos\theta}{sin\theta+\mu'cos\theta}R-\frac{2\mu'Rcos\theta}{sin\theta+\mu'cos\theta}\)

 

  \(=\displaystyle\frac{sin\theta-\mu'cos\theta}{sin\theta+\mu'cos\theta}R\)

 

となりました。