(1)
点\(A\)と点\(B\)で力学的エネルギー保存則を用いると、
\(mgR=\displaystyle\frac{1}{2}mv^2\)
\(v=\sqrt{2gR}\)
(2)
物体が摩擦面を通過すると、力学的エネルギーは熱エネルギーなどに変換されてしまいます。
このとき、どのくらいのエネルギーに相当するかを考え、それが最初に物体が持っていた位置エネルギーから減る、という考え方を使います。
「点\(A\)での位置エネルギー-摩擦で使ったエネルギー=点\(X\)での位置エネルギー」
という考え方です。
斜面上の物体に加わる動摩擦力は
\(f'=\mu' N=\mu'mgcos\theta\)
なので、摩擦がある斜面で物体が失うエネルギーは、\(CX\)の長さを\(d\)とすると、仕事の公式(力×距離)を使って、
\(W=-f'd=-\mu'mgdcos\theta\)
となります。
よって、エネルギー保存則から、
\(mgR-\mu'mgdcos\theta=mgdsin\theta\)
\(R=d(sin\theta+\mu'cos\theta)\)
\(d=\displaystyle\frac{R}{sin\theta +\mu' cos\theta}\)
となります。
(3)
点\(C\)から点\(X\)に進むのに摩擦面によってエネルギーが \(\mu'mgdcos\theta\) だけ失われるので、点\(X\)から点\(C\)に再び下りるときにも同じく摩擦面によってエネルギーが \(\mu'mgdcos\theta\) だけ失われます。
「点\(A\)での位置エネルギー - C⇒Xで使うエネルギー - X⇒Cで使うエネルギー = 点\(Y\)での位置エネルギー」
というエネルギー量を考えると、
エネルギー保存則から
\(mgR-2\mu'mgdcos\theta=mgH\)
\(H=R-2\mu'dcos\theta\)
\(=\displaystyle\frac{sin\theta+\mu'cos\theta}{sin\theta+\mu'cos\theta}R-\frac{2\mu'Rcos\theta}{sin\theta+\mu'cos\theta}\)
\(=\displaystyle\frac{sin\theta-\mu'cos\theta}{sin\theta+\mu'cos\theta}R\)
となりました。