(1)
物体が\(x\)に来た、とだけ与えられていて、この\(x\)は正の値か負の値かは指定されていません。
どちらでも計算は可能なんですが、考え方をラクにするために、物体を少しだけ\(x\)軸の正の向き、つまり右向きに動かしたとして問題を解くことにします。
物体を少し右に動かすと、物体の左側につながれているばねは少し伸びます。その結果、左向きに\(-k_1x\)の弾性力をもたらすことになります。
また、物体の右側につながれているばねは少し縮みます。すると右のばねからは\(-k_2x\)の弾性力が物体に加わることになります。
いま、これらの合力を問うていますので、単純に和をとってやると、
\(F=-k_1x-k_2x\)
\(F=-(k_1+k_2)x\)
となりました。
加速度は、合力が求まってしまえば、単なる運動方程式として処理できますので、
\(ma=F\) より
\(ma=-(k_1+k_2)x\)
\(a=-\displaystyle\frac{1}{m}(k_1+k_2)x\)
として終了です。
(2)
加速度の大きさが最大になるのは、変位の大きさが最大になったときです。つまり、物体を最初に\(x_0\)だけ移動させたときが最も変位が大きいですので、\(x=x_0\) のとき、だけで十分です。
(3)
運動方程式を解くことで問題を進めることができますが、(1)で少しだけ運動方程式を解いていますので、それを活用しましょう。
単振動の公式として、
\(a=-\omega^2 x\)
があります。一方で(1)で求めた加速度は、
\(a=-\displaystyle\frac{1}{m}(k_1+k_2)x\)
でした。これらを比較して推察すると、
\(\omega^2=\displaystyle\frac{1}{m}(k_1+k_2)\)
という関係が見えてきますね。よって、
\(\omega=\displaystyle\sqrt{\frac{k_1+k_2}{m}}\)
となりますので、周期の公式をもってきて、
\(T=\displaystyle\frac{2\pi}{\omega}\)
\(T=2\pi\displaystyle\sqrt{\frac{m}{k_1+k_2}}\)
となりました。