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リ物 基74

(1)

物体が\(x\)に来た、とだけ与えられていて、この\(x\)は正の値か負の値かは指定されていません。

どちらでも計算は可能なんですが、考え方をラクにするために、物体を少しだけ\(x\)軸の正の向き、つまり右向きに動かしたとして問題を解くことにします。

 

物体を少し右に動かすと、物体の左側につながれているばねは少し伸びます。その結果、左向きに\(-k_1x\)の弾性力をもたらすことになります。

また、物体の右側につながれているばねは少し縮みます。すると右のばねからは\(-k_2x\)の弾性力が物体に加わることになります。

 

いま、これらの合力を問うていますので、単純に和をとってやると、

 \(F=-k_1x-k_2x\)

 \(F=-(k_1+k_2)x\)

となりました。

 

加速度は、合力が求まってしまえば、単なる運動方程式として処理できますので、

 \(ma=F\) より

 \(ma=-(k_1+k_2)x\)

 

 \(a=-\displaystyle\frac{1}{m}(k_1+k_2)x\)

 

として終了です。

 

 

(2)

加速度の大きさが最大になるのは、変位の大きさが最大になったときです。つまり、物体を最初に\(x_0\)だけ移動させたときが最も変位が大きいですので、\(x=x_0\) のとき、だけで十分です。

 

 

(3)

運動方程式を解くことで問題を進めることができますが、(1)で少しだけ運動方程式を解いていますので、それを活用しましょう。

単振動の公式として、

 \(a=-\omega^2 x\)

があります。一方で(1)で求めた加速度は、

 

 \(a=-\displaystyle\frac{1}{m}(k_1+k_2)x\)

 

でした。これらを比較して推察すると、

 

 \(\omega^2=\displaystyle\frac{1}{m}(k_1+k_2)\)

 

という関係が見えてきますね。よって、

 

 \(\omega=\displaystyle\sqrt{\frac{k_1+k_2}{m}}\)

 

となりますので、周期の公式をもってきて、

 

 \(T=\displaystyle\frac{2\pi}{\omega}\)

 

 \(T=2\pi\displaystyle\sqrt{\frac{m}{k_1+k_2}}\)

 

となりました。