物体を水中に入れていますので、浮力を受けています。これを考慮して、まずは図を作図します。
ここでの解説では図は省略しますが、鉛直下向きに重力\(mg\)、鉛直上向きに糸が引く力\(T\)と、浮力\(F\)がかかっている図が作図できます。
これについて、力のつり合いの式を立てると、
\(T+F=mg\)
となります。
ここで、浮力の公式 \(F=\rho V g\) を代入しますが、浮力の公式に現れる\(\rho\)は、物体の密度ではなく、周囲にある液体の密度を表しますので、この問題の場合であれば、\(F=\rho_0 Vg\) ということになります。
とりあえず、まずこれを代入すると、
\(T+\rho_0 Vg=mg\)
となりますので、張力\(T\)は
\(T=mg-\rho_0 Vg\)
と式変形できます。
次に何とかしたいのは、問題文に与えられていない、物体の体積\(V\)です。
中学理科で学んだ内容の中に、
「質量=密度×体積」
という関係があります。これを忘れている人は多いと思いますが、ここでは覚えていたとして話を進めますね。高校範囲ではこれらの関係式をすべて文字で表すことにします。すると、
\(m=\rho V\)
となります。ここでの密度\(\rho\)は、物体の密度そのものを表しています。
これを式変形して、
\(V=\displaystyle\frac{m}{\rho}\)
としておいて、これをつり合いの式に現れた\(V\)に代入することにします。
すると、
\(T=mg-\rho_0\) \(\displaystyle\frac{m}{\rho}\) \(g\)
\(T=mg-\displaystyle\frac{\rho_0}{\rho}mg\)
\(T=\left(1-\displaystyle\frac{\rho_0}{\rho} \right) mg[N]\)
と式変形を続けることができました。