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リ物基 基例18

物体を水中に入れていますので、浮力を受けています。これを考慮して、まずは図を作図します。

 

ここでの解説では図は省略しますが、鉛直下向きに重力\(mg\)、鉛直上向きに糸が引く力\(T\)と、浮力\(F\)がかかっている図が作図できます。

 

これについて、力のつり合いの式を立てると、

 \(T+F=mg\)

となります。

 

ここで、浮力の公式 \(F=\rho V g\) を代入しますが、浮力の公式に現れる\(\rho\)は、物体の密度ではなく、周囲にある液体の密度を表しますので、この問題の場合であれば、\(F=\rho_0 Vg\) ということになります。

 

とりあえず、まずこれを代入すると、

 \(T+\rho_0 Vg=mg\)

となりますので、張力\(T\)は

 \(T=mg-\rho_0 Vg\)

と式変形できます。

 

次に何とかしたいのは、問題文に与えられていない、物体の体積\(V\)です。

中学理科で学んだ内容の中に、

 

 「質量=密度×体積」

 

という関係があります。これを忘れている人は多いと思いますが、ここでは覚えていたとして話を進めますね。高校範囲ではこれらの関係式をすべて文字で表すことにします。すると、

 

 \(m=\rho V\)

 

となります。ここでの密度\(\rho\)は、物体の密度そのものを表しています。

これを式変形して、

 

 \(V=\displaystyle\frac{m}{\rho}\)

 

としておいて、これをつり合いの式に現れた\(V\)に代入することにします。

すると、

 

 \(T=mg-\rho_0\) \(\displaystyle\frac{m}{\rho}\) \(g\)

 

 \(T=mg-\displaystyle\frac{\rho_0}{\rho}mg\)

 

 \(T=\left(1-\displaystyle\frac{\rho_0}{\rho} \right) mg[N]\)

 

と式変形を続けることができました。