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リ物 基266

(ア)

電流\(I_A\)がつくる磁場は、右ねじの法則を使うと、図の向きに発生していることが分かります。点\(P\)は、この円形にできた磁場の接線の向きを取ればいいので、(g)となります。

 

このときの磁場の強さ\(H_A\)は、\(AP=r\)なので、

 

 \(H=\displaystyle\frac{I}{2\pi r}\) より

 

 \(H_A=\displaystyle\frac{I_A}{2\pi r}\)

 

となっていますね。

 

(イ)

\(I_B\)がつくる磁場の強さ\(H_B\)も見てみましょう。

△\(ABP\)で\(1:2:\sqrt{3}\)がとれるので、\(BP=\displaystyle\frac{2}{\sqrt{3}}r\)となります。これを使うと、

 

 \(H=\displaystyle\frac{I}{2\pi r}\) より

 

 \(H_B=\displaystyle\frac{I_B}{2\pi \frac{2}{\sqrt{3}}r}\)

 \(H_B=\displaystyle\frac{\sqrt{3}I_B}{4\pi r}\)

 

(ウ)

電流\(I_B\)がつくる磁場は、(ア)と同様に右ねじの法則を使うと、図の向きに発生していることが分かります。点\(P\)では、この円形にできた磁場の接線の向きを取ればいいので、(b)となります。

 

 

 

(エ)

これら2つの(g)(b)向きの磁場の合成磁場が(d)を向くように調整するということは、磁場を合成したとき、図の横成分が打ち消しあってゼロになればいいということです。

具体的に言うと、(b)向きの磁場\(H_B\)の横成分と、(g)向きの磁場\(H_A\)とがイコール関係になればいいということです。

 

(b)向きの磁場\(H_B\)を縦と横に分解したときの横成分は、\(\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2}H_B\)になりますので、

 

 \(H_A=\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2}H_B\) を満たすような電流の関係を導きましょう。よって、

 

 \(\displaystyle\frac{I_A}{2\pi r}=\frac{\sqrt{3}}{2}・\frac{\sqrt{3}I_B}{4\pi r}\)

 

両辺に\(2\pi r\)をかけて、

 

 \(I_A=\displaystyle\frac{3}{4}I_B\)

 

よって

 

 \(I_B=\displaystyle\frac{4}{3}I_A\)

 

となりました。