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リ物 基267

問題文のままの図の視点からだと解きにくいので、少しずらした視点から見ることを考えます。

 

図は模範解答から取ってきた図です。模範解答でもずらして描いているので、そうするのが大多数なのかもしれませんね。

 

点\(O\)には、直線電流がつくる磁場と、円形コイルが作る磁場の二つが同時にかかっています。

指針としては、それぞれの磁場を公式通り求めて、図のように三平方の定理を使って重ね合わせてやる、という流れになります。

 

(1)

直線電流が作る磁場は、

 

 \(H=\displaystyle\frac{I}{2\pi r}\) より

 

 \(H_2=\displaystyle\frac{I_2}{2\pi a}\)

 

また、円形コイルが作る磁場は、

 

 \(H=\displaystyle\frac{I}{2r}\) より

 

 \(H_1=\displaystyle\frac{I_1}{2a}\)

 

となります。なので、図のように三平方の定理を使って磁場の合成をしてやると、

 \(H=\sqrt{H_1^2+H_2^2}\)

 

 \(H=\sqrt{(\displaystyle\frac{I_1}{2a})^2+(\frac{I_2}{2\pi a})^2}\)

 

 \(H=\sqrt{\displaystyle\frac{I_1^2}{(2a)^2}+\frac{I_2^2}{(2\pi a)^2}}\)

 

 \(H=\displaystyle\frac{1}{2a}\sqrt{I_1^2+\frac{I_2^2}{\pi^2}}\)

 

となりました。

 

(2)

 \(tan\theta\)も、作図が終了してしまえば大した計算労力はかかりません。

 

 \(tan\theta=\displaystyle\frac{H_1}{H_2}\)

 

  \(=\displaystyle\frac{\frac{I_1}{2a}}{\frac{I_2}{2\pi a}}\)

 

分子分母に\(2\pi a\)をかけると、

 

 \(tan\theta=\displaystyle\frac{\pi I_1}{I_2}\)

 

となりました。