ソレノイドコイルの公式を使う問題です。
ソレノイドコイルに電流を流して電磁石にするとき、それをちょうど南北に向けることで、地球の磁場をちょうど打ち消せるような強さに設定しましょう、という問題です。
ソレノイドコイルの公式は、
\(H=nI\)
です。ここで注意が必要なのは、巻き数\(n\)についてです。
何も準備無しに覚えると、\(n\)を単なる巻き数として覚えてしまいがちですが、\(n\)は、「\(1m\)あたりの」巻き数を表す文字なので、この問題のように、\(1600\)回巻だからといって、\(n=1600\)とはできません。
\(40cm\)で\(1600\)回巻なので、\(1m\)では何回巻きなのかをいったん求めておいて、それを\(n\)に代入する進め方になります。
計算方法はいろいろありますが、比で計算するのがラクだと思います。
\(0.4m\) \(:\) \(1600\)回 \(=\) \(1m\) \(:\) \(n\)[回]
内項外項の積をとって、
\(0.4n=1600\)
\(n=4000\)
となりました。これをソレノイドコイルの式
\(H=nI\)
に代入します。\(H\)が地磁気の強さと等しくなるとき、
\(30=4000I\)
\(I=\displaystyle\frac{30}{4000}\)
\(I=\displaystyle\frac{30}{4}・\frac{1}{1000}\)
\(I=\displaystyle\frac{30}{4}×10^{-3}\)
\(I=7.5×10^{-3}[A]\)
となりました。別にこんな式変形しなくてもいいですが、指数のミスが多い人は計算の手段として参考にしてみてください。
分子をそのままで、分母を小さい数字にすることで、指数計算から逃げようと画策しています。