小石\(A\)と小石\(B\)がありますが、小石\(A\)は自由落下、小石\(B\)は鉛直投げ下ろし、というスタイルでの実験になっています。
この問題で一番重要になってくるポイントは、投げるタイミングが\(2.0s\)だけズレているという点です。
落体の速度の公式では、\(v=gt\)を使おうが、\(v=v_0+gt\)を使おうが、\(t\)にはふつう、落下させ始めたときから何秒か、という値を代入します。
ところが、この問題では、先に小石\(A\)を落下させて、\(2.0s\)間だけ待ってから小石\(B\)を落下させているため、仮に\(t=1.0s\)なりを代入しようとすると、小石\(A\)については問題なく解けると思いますが、小石\(B\)は落ち始めてもない、という状況におちいってしまいます。しかも、時刻\(t\)は、問題文を見る限りでは、小石\(B\)が落ち始めてからの時間としているようなので、\(t=0s\)のときにはすでに小石\(A\)は落ちてしまっています。
ではどうしたらいいのか。
非常に単純な話で、小石\(B\)が落ち始める時刻\(t=0s\)には、小石\(A\)はすでに\(2.0s\)だけ落下しているので\(t\)の代わりに、\((t+2.0)\)としておけばいいわけです。
小石\(B\) ⇒ 時刻を\(t\)とする
小石\(A\) ⇒ 時刻を\((t+2.0)\)とする
よって、それぞれの小石の変位を\(y_A,y_B\)とすると、
[正の向きの定義] 鉛直下向きを正として、
[公式宣言] \(y=v_0t+\displaystyle\frac{1}{2}gt^2\) より
[数値代入]
\(y_A=\displaystyle\frac{1}{2}×9.8×\)\((t+2.0)^2\)
\(y_B=24.5\)\(t\)\(+\displaystyle\frac{1}{2}×9.8×\)\(t^2\)
よって
\(y_A=4.9(t+2.0)^2\)
\(y_B=24.5t+4.9t^2\)
これらの小石は地面に同時に落ちるので、\(y_B=h\)となるとき、同時に小石\(A\)も、ちょうど\(y_A=h\)となります。
つまり、\(y_A=y_B\)となるので、
\(4.9(t+2.0)^2=24.5t+4.9t^2\)
両辺\(4.9\)で割ると、
\((t+2)^2=5t+t^2\)
\(t^2+4t+4=5t+t^2\)
\(4t+4=5t\)
\(t=4.0s\)
となりました。
(2)
\(t\)が求まってしまえば、いま\(y_A=y_B=h\)なので、あとは\(y_A\)でも\(y_B\)でも好きな方に代入してしまえばいいですね。
ここでは仮に\(y_A\)に代入することにしてみましょうか。
\(y_A(=h)=4.9(4.0+2.0)^2\)
\(h=4.9×6.0^2\)
\(h=4.9×36\)
\(h=176.4\)
\(h≒1.8×10^2[m]\)
となりました。