斜方投射の問題です。これも、鉛直方向には単なる投げ上げの問題、水平方向には等速直線運動の問題、と切り分けて、軸ごとに運動を調べると、イメージしているほどの難しさはなくなります。
(1)
縦軸だけ考えると、投げ上げたあと、最高点で速度がゼロになる、と考えることができます。
問題の図を見ると、鉛直方向には初速度が\(9.8m/s\)ですので、\(9.8m/s\)で鉛直投げ上げをしたときに、何秒後に最高点に到達しますか、と読み替えてやるといいですね。
\(v_y=v_{0y}-gt\) より、最高点で速度の鉛直成分がゼロとすると、
\(0=9.8-9.8t\)
\(t=1.0[s]\)
このときの高さは、
\(h=v_{0y}t-\displaystyle\frac{1}{2}gt^2\) より、
\(h=9.8×1.0-\displaystyle\frac{1}{2}×9.8×1.0^2\)
\(h=9.8-4.9\)
\(h=4.9[m]\)
(2)
先入観からイメージしにくい人もいるようですが、最高点まで上がる時間と、最高点から地面に戻る時間は同じです。
なので、運動の軌道も、最高点を軸に、きれいに左右対称になります。
最高点まで\(1.0[s]\)かかりますので、そこから地面に戻る時間も同じ\(1.0[s]\)となります。これを短く説明する表現として、「運動の対称性」という言葉があります。
運動の対称性より、小球が水平面に落下するまでの時間は\(2.0[s]\)であるから、
\(l=v_{0x}t\) より
\(l=10×2.0=20[m]\)