ジュール熱
金属のような導体に電流を流すと、熱が発生します。この熱を「ジュール熱」といいます。
導体に電流を流すと、電荷が原子核の周囲を通過したときに、\(qV[J]\)の電気エネルギーを熱運動のエネルギーとして与えます。
導体中に\(I[A]\)の電流が流れているとき、\(t[s]\)間に通過する電気量は\(q=It[C]\)なので、導体の原子がうけとるエネルギーは
\(U=qV\)
\(=It×V\)
\(=VIt[J]\)
となります。
これが中学以来扱っていた「ワット×秒=熱量」という関係式に相当します。電圧×電流が電力(ワット)でしたね。
電位の高いところから低いところへ電荷が移動すると、電荷は電気的な位置エネルギーを失います。このエネルギーがすべて熱エネルギーに変換されますので、ジュール熱を放出したあとの電荷は、そのエネルギー分だけの電位を失い、最終的に回路を一周すると0ボルトに戻るという仕組みです。
▼ジュール熱
\(Q=VIt\)
仕事率と電力
電池や電流が単位時間あたりにした仕事のことを電力といいます。1秒あたりの仕事のことを仕事率といいますので、仕事率の電気分野での呼び方と解釈してもいいでしょう。
文字は\(P\)で表し、単位は\([W]\)(ワット)を使います。
熱エネルギー\(Q\)を仕事と考えて、
\(P=\displaystyle\frac{Q}{t}\)
\(=\displaystyle\frac{VIt}{t}=VI[W]\)
となり、電圧×電流が電力(ワット)という形が出てきます。
▼電力
\(P=VI\)