(1)
窒素ガスの分子量が\(28\)なので、窒素分子を\(1mol\)集めると、\(28g\)になるということです。
\(1mol\)はアボガドロ定数から\(6.0×10^{23}\)個を意味していますので、1分子当たりの質量を知りたいときは個数で割り算してやるといいですね。
\(6.0×10^{23}\)個で\(28g\)、つまり\(28×10^{-3}kg\)なので、
\(28×10^{-3}kg÷(6.0×10^{23})\)
\(=\displaystyle\frac{28×10^{-3}}{6.0×10^{23}}\)
\(=4.7×10^{-26}kg\)
(2)
二乗平均速度の公式を覚えていれば、代入して終わりですが、ここでは覚えていなかったとして、導出しながら求めることにしてみましょう。
たくさんの分子の運動エネルギーの和が内部エネルギーを意味することから、
\(N・\displaystyle\frac{1}{2}m\overline{v^2}=\frac{3}{2}nRT\)
一つの分子で考えるなら
\(\displaystyle\frac{1}{2}m\overline{v^2}=\frac{3}{2}kT=\frac{3}{2}・\frac{R}{N_A}・T\)
どちらかの式は覚えておきましょう。
そしてここに、\(mN_A=M\)という式を導入します。
気体分子一つ分の質量\(m[kg]\)を、アボガドロ数(\(6.0×10^{23}\))倍すると、モル質量\(M[kg]\)になる、という関係です。
すると式変形ののち、
\(\overline{v^2}=\displaystyle\frac{3RT}{M}\)
となり、二乗平均速度が
\(\sqrt{\overline{v^2}}=\sqrt{\displaystyle\frac{3RT}{M}}\)
であることが求まります。
そこに、問題文で与えられた数値を代入すると、
\(\sqrt{\overline{v^2}}=\sqrt{\displaystyle\frac{3×8.3×280}{28×10^{-3}}}\)
\(=\sqrt{24.9×10^4}\)
\(≒\sqrt{25×10^4}\)
\(=5.0×10^2[m/s]\)
となりました。
\([kg]\)基準のモル質量\(M\)と、\([g]\)基準の分子量\(M_0\)を途中で取り違えないように注意が必要です。