(1)
容器2が真空の場合、コックを開くと容器1の気体がそのまま容器2に流れ込みますが、このときに気体分子の速さが変化しません。
気体分子の速さが変化しないということは、熱運動が変化しないことを意味しているので、内部エネルギーも変化せず、したがって温度も変化しません。
真空へ気体が膨張することを自由膨張といいますが、自由膨張のとき温度は変化しません。
これは重要な結論なので、覚えておくことをおすすめします。
よって、\(T=T_1\)
ただ、温度は変化しませんが、体積は膨張していることになりますので、気圧はそれに応じて下がります。
ボイルシャルル則を使うか、気体の状態方程式を使うか、ということですが、封入されている気体の最初の圧力がわからない上に、\(n_1\)、\(R\)、\(T_1\)といった値が与えられているので、ここではボイルシャルル則から解くよりは状態方程式から解くほうが得策かとは思います。
\(p(V_1+V_2)=n_1RT_1\) より
\(p=\displaystyle\frac{n_1RT_1}{V_1+V_2}\)
(2)
容器2に気体が封入されているときは自由膨張ではありませんので、混合後に温度がどうなるかはわかりません。また、それぞれの気体の気圧も体積も変化する上に、混合されてモル数もそれぞれの容器にどのくらいずつ分配されているかが分からない状態になります。
モル数が変わるので、ボイルシャルル則が使えません。そうすると状態方程式の連立ということになりますが、この問題の場合、内部エネルギー保存則を使うほうが早いですので、そちらで解くことにします。
内部エネルギーは \(U=\displaystyle\frac{3}{2}nRT\) ですので、内部エネルギー保存則より
\(\displaystyle\frac{3}{2}n_1RT_1+\frac{3}{2}n_2RT_2=\frac{3}{2}(n_1+n_2)RT\)
\(n_1T_1+n_2T_2=(n_1+n_2)T\)
\(T=\displaystyle\frac{n_1T_1+n_2T_2}{n_1+n_2}\)
となります。温度を求めるだけなら、内部エネルギー保存則を使うと\(p\)や\(V\)がない分、計算が早い、というわけです。
温度が求まってしまいさえすれば、あとは状態方程式に代入してやるといいかなと思います。
混合気体について状態方程式を立式して、
\(p(V_1+V_2)=(n_1+n_2)RT\)
\(p=\displaystyle\frac{n_1+n_2}{V_1+V_2}R×\frac{n_1T_1+n_2T_2}{n_1+n_2}\)
\(=\displaystyle\frac{R(n_1T_1+n_2T_2)}{V_1+V_2}\)