(1)
まず予備知識として、密度の公式を確認しておきます。中学理科で習っているはずです。密度は質量\(÷\)体積で表せます。
これをすべて文字で置き換えるのが高校物理です。密度を\(\rho\)、質量を\(m\)、体積を\(V\)とすると、\(m=\rho V\)と書けます。単位系も中学理科とは違いますので、そこはよく見ておいてください。
▼密度公式
\(密度([kg/m^3]=\displaystyle \frac{質量[kg]}{体積[m^3]}\)
\(\rho=\displaystyle \frac{m}{V}\)
物体が\(\displaystyle\frac{2}{3}\)だけ沈んで静止しているので、浮力と重力がつりあっています。 浮力は、アルキメデスの原理より押しのけた水の重さと等しいので、水の密度\(\rho_0\)を用いて、
浮力\(f=\rho_0×\displaystyle\frac{2}{3}V×g\)
と書けます。浮力は沈んでいる部分にだけ働くので、体積は\(\displaystyle\frac{2}{3}V\)となっています。
一方で物体の重力には物体の密度\(\rho\)を用いて、
重力\(W=mg\)
\(W=\rho Vg\)
と書けます。これらがつり合うので、
\(\rho_0×\displaystyle\frac{2}{3}V×g=\rho Vg\)
\(\displaystyle\frac{2}{3}\rho_0Vg=\rho Vg\)
\(\rho=\displaystyle\frac{2}{3}\rho_0[kg/m^3]\)
となります。
(2)
物体全体を水に沈めると、浮力は\(\rho_0Vg\)となります。これ(1)よりも大きな浮力なので、人が下向きに力\(f\)を加えないと静止を保つことができません。なので、
\(\rho_0Vg=f+\rho Vg\)
\(f=\rho_0Vg-\rho Vg\)
となります。(1)で\(\rho=\displaystyle\frac{2}{3}\rho_0\)と求まっているので、代入して、
\(f=\rho_0Vg-\displaystyle\frac{2}{3}\rho_0Vg\)
\(f=\displaystyle\frac{1}{3}\rho_0Vg[N]\)