· 

リ物 基141

(1)

グラフの横軸が時間になっているとき、表示されている波一つ分は波長ではなくて周期を表します。

なので、ここで周期はいくらか、と問われたら、グラフの波一つ分を読み取るだけでいいことになります。

よって、\(T=0.2[s]\)

 

また、振動数と周期は逆数関係にあるので、

 

 \(f=\displaystyle\frac{1}{T}\) より

 

 \(f=\displaystyle\frac{1}{0.2}=5.0[Hz]\)

 

 

 

(2)

問題文の最初に、波の速さが\(3[m/s]\)と与えられていて、(1)で周期を求めましたので、波の基本式から、

 \(v=\displaystyle\frac{\lambda}{T}\) より

 

 \(3=\displaystyle\frac{\lambda}{0.2}\)

 

 \(\lambda=0.6[m]\)

 

と求まります。なので、波長が\(0.6[m]\)の波を描くことになります。グラフを見る限り\(t=0\)のときは媒質が原点にあることも分かりますので、原点からスタートしたグラフを描けばいいというところまではすぐに分かりそうです。

 

問題はこの概形が\(\sin\theta\)の形になるのか、\(-\sin\theta\)の形になるのかです。

 

与えられたグラフを見ると、時間の経過とともに変位が正の向きに変化していることが読み取れます。

横軸が時間ですので、時間が経過すると\(y\)軸の成分が増えるということです。

 

今から描きたい波は、問題文の最初に、\(x\)軸の正の向きに進む波と書いてありますので、波が\(x\)軸正の向きに進むと、原点の媒質が上に動くような波を描いてやる必要があります。

 

言い換えると、原点には今から山がやってくるように波形を描くということになります。

 

そのためには、原点の左側に山がある波形を描くことになりますので、原点の右側に谷がくるグラフを描けばいいわけで、\(-\sin\theta\)の形の波を描けばいいんだということが分かります。

 

よって、解答は上の図の通りとなります。

 

 

(3)

原点の変位を表す正弦波の公式を変形していきましょう。

 \(y=A\sin\omega t\) より、

 

 \(y=A\sin \displaystyle\frac{2\pi}{T} t\)

 

ここで、原点ではなく座標\(x\)における正弦波の式に変形します。原点が振動してから座標\(x\)が振動するまで、時間的な遅れが生じます。その時間的な遅れを\(t_0\)とすると、波の速さが\(v\)、波の伝わる距離が\(x\)ですので、

 

 \(t_0=\displaystyle\frac{x}{v}\)

 

となります。よって、

 

 \(y=A\sin \displaystyle\frac{2\pi}{T} (t-t_0)\) としておいて、\(t_0\)を代入すると、

 

 \(y=A\sin \displaystyle\frac{2\pi}{T} (t-\frac{x}{v})\)

 

これに分かっている値を代入していくと、

 

 \(y=2\sin \displaystyle\frac{2\pi}{0.2} (t-\frac{x}{3})\)

 

 \(y=2\sin 10\pi (t-\displaystyle\frac{x}{3})\)

 

となります。