ボイル・シャルルの法則の一定値
ボイル・シャルルの法則は
\(\displaystyle\frac{pV}{T}=\)一定
という式でしたが、この式が仮に標準状態だったら、という条件を付けてやると「一定」の中身を求めることができます。
気体が理想気体で、気圧が\(p_0=1.0[atm]=1.01325×10^5[Pa]\)、体積が\(V_0=22.4[L]=2.24×10^{-2}[m^3]\)、\(T_0=273.15[K]\)とします。
すると、
\(\displaystyle\frac{pV}{T}=\frac{1.013×10^5×2.24×10^{-2}}{273.15}\)
\(=8.30928…\)
\(≒8.31[J/(mol・K)]\)
そこで、この数値を\(R\)として「気体定数」と呼ぶことにします。
ボイル・シャルルの法則は
\(\displaystyle\frac{pV}{T}=\)一定
という式でしたが、この式が仮に標準状態だったら、という条件を付けてやると「一定」の中身を求めることができます。
気体が理想気体で、気圧が\(p_0=1.0[atm]=1.01325×10^5[Pa]\)、体積が\(V_0=22.4[L]=2.24×10^{-2}[m^3]\)、\(T_0=273.15[K]\)とします。
すると、
\(\displaystyle\frac{pV}{T}=\frac{1.013×10^5×2.24×10^{-2}}{273.15}\)
\(=8.30928…\)
\(≒8.31[J/(mol・K)]\)
そこで、この数値を\(R\)として「気体定数」と呼ぶことにします。
理想気体の状態方程式
ボイル・シャルルの法則の「一定」を\(R\)と書いて、数式で表現しておきます。
\(\displaystyle\frac{pV}{T}=R\)
ところで、一つ大事なことを忘れています。いま代入した標準状態での数値はできるだけ厳密な値を入れて計算したので、間違っていないように思います。ですが、大前提としての気体の量にふれていません。
いまの話は\(1[mol]\)の理想気体の場合の話でした。気体定数は\(1[mol]\)の気体が標準状態のときにどのような一定値をとるか、という数値を表しています。
当然、\(2[mol]\)になると体積は2倍になり、\(3[mol]\)だと3倍になります。
なので、より一般的に考えるのであれば、ボイル・シャルルの法則の右辺の「一定」は、気体のモル数によって変わる量ですので、モル数を\(n[mol]\)として、
\(\displaystyle\frac{pV}{T}=nR\)
としてやるといいでしょう。
さらに、分数だと使いにくいですので、温度\(T\)を移項して、
\(pV=nRT\)
としてやると、より使いやすい式になります。
この式を「理想気体の状態方程式」と呼ぶことにします。
▼理想気体の状態方程式
\(pV=nRT\)
式の成り立ちから見てもわかるように、ボイル・シャルルの法則の「一定」を数式に書き換えただけのものですので、ボイル・シャルルの法則と実質的に同じ意味の式となります。
問題を解くうえで、どういうときにボイル・シャルルの法則を使って、どういうときに状態方程式を使うのか分からない、という質問を受けますが、どちらでも解けます。
だいたいの問題では、不要な文字を消すように式変形を進めていくと、答えが導き出せるようになっています。