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原子14 核反応

核反応

 原子核の種類が変わる反応のことを核反応といいます。

 

 ラザフォードは1919年、窒素ガスを詰めて密閉した箱の中に\(\alpha\)線が出るような放射線源を入れたところ、陽子が単体で飛び出ることを発見しました。人類の歴史上で最初に人工的な原子核崩壊を引き起こした実験となりました。

反応式で書けば、

 

 \(^{14}_7N+^4_2He \rightarrow ^{17}_8O+^1_1H\)

 

 ラザフォードは1909年に、金箔に\(\alpha\)線を照射させて散乱の仕方を調べました。その後その実験結果を詳細に分析、考察して1914年には新たな原子モデルを提唱しました。

 

 核反応に関する実績はそれに次いで発表されていますので、金属に\(\alpha\)線を当てたら新発見をしたから、今度は気体に\(\alpha\)線を当てたらどうなるのかな、と疑問を持っても何ら研究の仕方としては不自然なことはないですね。そして実際に新発見をしてしまったというわけですから驚きです。

 

 その後、ホウ素、フッ素、ネオン、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、硫黄、塩素についても、同様に次から次へと陽子が飛び出す現象を発見していきました。

 

 

核分裂前後で保存する量

▼電気量保存則

 核反応では反応の前後で電気量の和が一定に保たれる

 

 

▼質量数保存則

 核反応では反応の前後で質量数の和が一定に保たれる

 

 

高校範囲では、例外的に\(\beta\)崩壊を除いて、陽子や中性子、電子が、消えたり増えたり種類を変えたりしませんので、一般論としては「核子数保存則」として理解しておけば十分でしょう。

 

核子というのは、陽子と中性子をまとめた言い方です。核分裂するにしても、核融合するにしても、原子核としての種類は変化しますが、陽子と中性子の総数に変化はありません。