水平投射の問題です。水平投射では、鉛直方向には単なる自由落下の問題として解き、水平方向には単なる等速直線運動の問題として解きますので、実質のところ、2問を1問に融合したような感覚で解きます。
それぞれの軸を分けて考えると、イメージしているよりは、そんなに難しくないはずです。
(1)
高さ\(l\)から物資を自由落下したとき、地面につくまでにどのくらいの時間がかかりますか、と考える問題です。
\(l=\displaystyle\frac{1}{2}gt^2\)
\(t=\displaystyle\sqrt{\frac{2l}{g}}\)
(2)
地面に到達したとき、物資は斜め\(45°\)に落下しています。つまり、水平方向の速さと鉛直方向の速さが同じということです。水平方向の速さ\(v_0\)を知りたいということは、鉛直方向の速さを求めればいいことになります。
\(v_0=v=gt\) より、(1)の\(t\)を代入すると、
\(v_0=g\displaystyle\sqrt{\frac{2l}{g}}\)
\(v_0=\sqrt{2gl}\)
(3)
水平距離を求めたいときは、等速直線運動の公式を使います。「距離=速さ×時間」という式ですね。
\(L=v_0t\) の式に、(1)と(2)で求めた式
\(v_0=\sqrt{2gl}\)、\(t=\displaystyle\sqrt{\frac{2l}{g}}\) を代入すると
\(L=\sqrt{2gl}×\displaystyle\sqrt{\frac{2l}{g}}\)
\(=2l\)
(4)
この題材は、共通テストの試行テストで出題されました。こういう現象論の部分は大切ですので、論述だからといってめんどくさがって空欄にした人は、受験から遠ざかってしまいます。まずは何かを書くところから始めてください。
等速運動している飛行機から見ると物資は飛行機の真下に落ちていきます。それは、私たちが手に持っているものを落下させると真下に落ちることと同じです。地球が時速\(1000km\)近くで自転していますが、地球上にいる私たちはそこに乗っている状態ですので、等速運動をしています。
さて、私たちが手に持っているものを放したとき、地球の自転の速さにしたがって物体は斜めに落ちますか?と、そういう話になるわけです。
なので、等速運動している飛行機から物資を落下させると、「飛行機からみたとき」物資は鉛直軸の真下に落ちていくように見えているわけです。その状況を上手に文章化してあればokです。
例:物資の位置は常に飛行機の真下にあるように見え、飛行機から見ると自由落下しているように見える。
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