壁にぶつかって跳ね返るとき、壁から力積をうけます。
ですが、この力積は壁に垂直に加わりますので、鉛直方向には何の影響ももたらしません。
すると、点\(P\)に落下するとき、少なくとも、落下時間については高さ\(h\)からの自由落下と同じ時間だということがわかります。
もし仮に、壁で弾性衝突\((e=1)\)をするとしたら、壁がないものとして進んだ経路を、壁について線対称に折り返した軌道を描く、ということも知っておくと便利ですよ。
今回は残念ながら\(e=1\)ではないので、少しだけ短い地点にはね返るようですね。
(1)
壁に衝突するまでに要する時間を\(t_1\)とすると、水平方向には等速運動をするので、距離÷速さより、
\(t_1=\displaystyle\frac{L}{v_0}\)
(2)
高さ\(h\)から自由落下する時間と同じです。
\(h=\displaystyle\frac{1}{2}gt^2\) より
\(t_2^2=\displaystyle\frac{2h}{g}\)
\(t_2=\displaystyle\sqrt{\frac{2h}{g}}\)
(3)
小球が壁で反発して、残りの高さ分を落下するのに要する時間を\(t'\)とすると、
\(t’=t_2-t_1\) より
\(t'=\displaystyle\sqrt{\frac{2h}{g}}-\frac{L}{v_0}\)
壁で反発したあとの速さは元の速さの\(e\)倍になって、\(ev_0\)で左向きに進むことになります。
この速さで\(t'\)の時間かけて進む距離が\(x\)ですね。
よって
\(x=ev_0×t'\) より
\(x=ev_0\left(\displaystyle\sqrt{\frac{2h}{g}}-\frac{L}{v_0}\right)\)
\(x=e \left( \displaystyle v_0 \sqrt{\frac{2h}{g}}-L \right) \)