(1)
こういう問題を解くとき、小球とともに動く系から見たときに、力のつり合いの関係が取れることを使うと分かりやすく解けます。円運動の問題なんですが、円運動方程式を使わないわけですね。
もちろん外から見たとき(静止座標系から見たとき)の解き方もありますが、ここでは、小球とともに動く系から見たらどうなりますか、という問題ですので、外(静止座標系)から見たときの考え方は置いておきます。
遠心力を作図したのち、水平方向と鉛直方向の力のつり合いの式を立てましょう。
[水平方向] \(S\sin\theta=mr\omega^2\) ――①
[鉛直方向] \(S\cos\theta=mg\) ――②
(2)
あとは連立式を解くだけですが、文字ばっかりなので、どれが必要な文字で、どれが関係ない文字か分かりにくいですね。
問題文を読んでみてください。\(S\)と\(\omega\)を求めよ、とあります。そして、\(m\)と\(r\)、\(\theta\)は問題文に書いてありますので、そのまま使っても問題なさそうです。
要は、\(S\)と\(\omega\)を求めたい連立式だということです。
ところがよく見てください。②式には\(\omega\)がなく、\(S\)だけありますので、これはそのまま式変形して\(S\)を求めることができます。
よって②より、
\(S=\displaystyle\frac{mg}{\cos\theta}\)
となりました。これで終わりです。これだけです。
\(S\)が求まったら、①式に代入して\(\omega\)も求めましょう。
\(\displaystyle\frac{mg}{\cos\theta}\sin\theta=mr\omega^2\)
\(mg\displaystyle\frac{\sin\theta}{\cos\theta}=mr\omega^2\)
\(g\tan\theta=r\omega^2\)
\(\omega^2=\displaystyle\frac{g\tan\theta}{r}\)
\(\omega=\sqrt{\displaystyle\frac{g\tan\theta}{r}}\)